レイン・ミーツ・サンライト
モノクローム

とん、とん、と耳に届くブーツの踵の鳴る音はわくわくと弾む気分を表すようで、私は改めて今日という日を自覚した。
1月11日。轟君の生まれた日。
以前は私が見事にすっぽかしてしまって、それから多忙な轟君とは中々予定が合わずにいたから今回が事実上の初デートだ。
来るとわかっている人をまだかまだかと待ちわびるなんて小学時代の家庭訪問以来で、こうしている瞬間すら楽しんでしまえそうだけど、やはり早く会いたいという気持ちの方が強くて。左右で色の違う双眸が印象深いその人が目立つ容姿を持っていたからというのもあるだろうけど、やはりすぐに見つけ出すことができたのはそわそわずっと周囲を気にして見回していたからだろう。

「悪ぃ、待たせた」
「ううん。私も今来たところだから」

やった! ついに言ったぞ、私! いつか彼氏ができたら一度は言ってみたかった台詞!

「それじゃ行くか」
「うんっ」

1月11日。世間からすればただのぞろ目か、はたまた1本足りないポッキーの日か。何にせよ、色々プラン考えて来たんだよ。と笑む私にとっては大切な日に違いない。

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