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「***…!?なにがあったの…!?」
「っ、ロビンっ、」
上から下までぐしゃぐしゃにして親友を訪ねれば、その美しいカオを大きく歪ませてロビンは駆け寄ってきてくれた。
「大変…!!こんなに身体が冷えて…!!すぐに暖めて、」
「好きだっでっ、言ったのっ、」
「……………え…?」
家に招きいれようと私の手を引いたロビンが、小さく眉を寄せた。
「ローに、っ、ねっ、好きだっで、言っだんだっ、」
「…………………。」
「フランスにっ、行がないでっで、っ、そばにいだいっでっ、」
「…………………。」
「一生懸命、っ、言っだんだげどっ、」
「…………………。」
「っ、ダメだっだっ、」
「…………………。」
「っ、……………フラれぢゃっだよお…」
「***…」
ぼだぼだと涙と鼻水を垂らしながらそう告げると、ロビンは哀しげに笑って、私を抱きしめてくれた。
「ロビンっ、濡れぢゃうよ、」
「いいのよ。……………***、頑張ったわね…」
優しく頭をなでながら、ロビンはそう言った。
「よく頑張ったわ。偉いわね…」
「っ、ロビンっ、」
「もう我慢しなくていいのよ。……………お泣きなさいな。」
「っ、……………わあああああん…!!」
『どんな理由があろうと、おれから離れることは許さねェからな。』
独占欲が強くて、
『男がいようがいまいが、おまえはおれだけに頼ってればいいんだよ。』
どこまでも自分勝手で、
『おれを、独りにすんだろ。』
意外と寂しがり屋で、
『面倒みきれねェな、おまえは。…………………おれにしか。』
こんな私を、いつも優しく見守ってくれた。
ローのすべてが、大好きだった。
隈の濃い目も、
不機嫌そうに寄った眉も、
意地悪く上がる唇も、
藍の混ざった綺麗な髪も、
ローを造っているすべてが、
たまらなく愛しかった。
ロビンのなでる手が、ローのそれと同じくらい暖かくて、
私はこの日、夜が明けるまでロビンの胸で泣き続けた。
ロー、
ほんとに、大好きだったよ。
だから、さよなら。[ 45/70 ][*prev] [next#]
[mokuji]
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