アメリカから帰ってきて、メジャーデビューを果たした俺。

まだ始まったばかりだけれど、俺のこれからの大きな第一歩。



もちろんライヴは大成功を治めた。








「カンちゃんマジすげー!」
「ホントホント!カッコよかったっ!」
「完治…俺は、俺は、感動した…!」
「あーっ!監督泣いてるーっ」




次々に俺に浴びせられる言葉の数々。




「みんなありがとーっ」




みんなにもみくちゃにされて、

自分のことのように喜んでくれる仲間がいて、


ああ、俺って愛されてる。


そう思ったんだ。









「完治」


振り返ると、いつものように腕を組んで偉そうにつっ立ってるヤツは。

**ちゃんに見せたあの微笑みを浮かべ、



「よかったよ」



と一言だけ俺に言った。

あとから**ちゃんに嫌味を言っていたけれど。



いつものようにドスの聞いた言葉でからかわれると思っていたから、

不覚にも喉の奥から熱いものが込み上げて来そうになった。







ずっと一緒に育ってきた。
もはや本当の親なんかよりも家族同然で
良いとこも悪いとこも知っている。




そんな相手に認められたっていうことが

すごく嬉しくて、

恥ずかしくて。

言い様のないムズムズした気持ちになる。




きっと誰よりも認めて欲しかった存在。

今までもこの先も、お互いに理解し合える存在。




**ちゃんもみんなも大切だけど、


誉はまた違う大切な、大きな存在。








誉はきっと俺が思っていることも言いたいことも全部わかってる。

**ちゃんのことだって、自分の気持ちよりも俺のことを優先してくれたんだ。




俺がちゃんと頑張れるようにって。




何も言わないけれど、それが誉なりの愛情表現。




もし誉に何かあったら俺は全力で力になるよ。

いらないって言われるかもしれないけどさ。




これからいろんなことがあるけれど、きっと俺と誉は切っても切れない、そんな関係なんだ。













「…サンキュ」






いつもの俺のはしゃぐような照れ隠しが通用しない相手だってわかっているから。
しっかりと前を見据えて誉に言った。


湿っぽいのは嫌いだけど、目を見てちゃんと真剣に伝えなくちゃって思ったんだ。

















でもやっぱ**ちゃんは渡せないよ?

俺に誉の大切さをわからせてくれた人だからね。

今回はそんな俺の大事な**ちゃんを想って作った歌詞。










今度は俺のありったけの感謝をこめて、



誉に愛を捧げてみようかな?










end





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