Can't Help Falling In My Love!!



優しい竜の殺し方。ウルとアークで現パロ






自宅であるマンションに帰宅しても、いちいち沈黙が待ち構えていたのは数ヶ月前の過去の話だ。


「おかえり」


鍵をまわした時点で騒がしい足音がして、扉を開くと歳に似合わずしっかりとした声が出迎えてくれる。アーカンジェルは心がほっこり温まった気がして、口元が緩むのを抑えられなかった。


「ただいま、ウル」


つやつやの黒髪を撫で上げると、はにかんだ顔がもっとやってくれとでも言わんばかりに頭を押し付けてくる。それに応える代わりに、重くなった身体をよっこらせと抱き上げて、アーカンジェルは玄関から室内に上がった。



アーカンジェルがこの子供と出会ったのは、今から数年前。まだ桜の蕾も固く閉じ、風が冷たい頃。アーカンジェルは学生生活を謳歌していたが、身寄りがなく一人暮らしで、バイトを掛け持ちをしたり等忙しい生活を送っていた。
 そんなバイトの一つ、近所の保育園のちょっとした手伝いをしていた時、子供の父親に気に入られてしまって、あれやこれよという内に彼を預かることになってしまった。最初は関係もなくまだ若い自分に何故、と何度も断った。しかし、どうしてもと言って止まない彼の父親と、アーカンジェルが良いと発言した本人によって同居が決まってしまったのだ。
 
そのほか同居するにあたって、様々なことがこの身に振りかかったが、たくさんありすぎるので割愛させていただく。一つだけ言えることは、この数年で一気に大切な存在になっていった彼が、とても愛おしいということだけだ。


「今日は何してたんだ?」

「…スピカとあそんでた」

「ああ、フェンの所の…。楽しかった?」

「たのしかった。けどアーカンジェルといるときが、いちばんたのしい」

「ウル…」


彼、ウランボルクが淹れてくれた紅茶を一緒に飲みながら、今日会わずにいた分のお互いの報告会。夕食前の小さなお茶会となったこの時間は、何よりもアーカンジェルの疲れを癒す。
 こうやってウルの隣にいて穏やかに笑ってる自分が信じられない。ウルと出会う前は他人に線を一角引いて、何事も壁の外から見ていたのが嘘みたいに、彼を心の奥まで受け入れていた。これが俗にいう親ばかという現象なのだろうか。

くすくす笑って、私もだよ、と言うと滅多に無表情を崩さないウルが破顔して笑った。この、僕にだけしか見せない表情にどんどんのめり込んでいく自分自身を止められない。子供ながらにして目元に繰り返しキスをしてくるウルの未来予想図を想像すると、眩暈を覚える気がした。その時も、まだそうやって自分だけに笑ってくれるだろうか。


「アーカンジェル、」

「ん?」

「あ、」

「あ?」

「……いや、なんでもない。おれが、ちゅうがくにあがったら言う」

「? うん」


まだ少し未来の春を告げる風が、この二人の関係を変えることになることを知らぬまま。アーカンジェルは紅茶の最後の一口を飲み干した。








アークのデレ度が半端ないがそこは気にしない←
いつかこのネタをおかずにして、浜名湖を半周したな…\(^o^)/ 現代パロちびウル×保護者アーク。思いもよらぬ原作に番外編がでたので、父親はセファじゃなく、こうきのお方のつもりだけど。セファはウルの親戚ということで。
え?告白編はって…?暇があったらやりまっすお!←

それでは、友人花桜さんに、この駄短文を押し付k…ごふん。ささげます!誕生日おめでたい&引っ越してもあそぼうね!!










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