小話・霊の続き?




買い出しから家へ帰ってきたら、相方の姿がなかった。部屋の中は風に揺れるカーテンと、その風に煽られてぺらぺら捲れる読みかけの本。その本は、相方がよく読んでる白っぽい表紙の本だった。栞は挟んでない。挟んでないのは、この本のどこにどんなシーンがあるか覚えるほど、読み込んでいるからだろうか。

ふとこの前語ってくれたこの本の主人公が気になって、買ってきたものを床に置き、読めもしないのに重い表紙を持ってみる。


「……?」


一枚目を捲ったその先は、フランス語じゃなかった。しかも殆ど掠れていて、読みにくい。いやそれよりも。こんなのをさらっと読めるイヴェールが何者だ。


「…実は空からやってきました、って言われても納得だな」

「……ああ、確かに…」

「だろ?食細いくせに体力無いくせに、やたら力強いし。信じられないくらいに頭が回る」

「……俺でさえ言いくるめられるくらい口が上手い。本当に何者なんだ、あいつは」

「そうそう。俺もさっきイヴェール何者って思った!お前でさえ言いくるめられ……ん…?お前…?、」


あれ。俺は、今、誰と話してるのだろう。

いつの間にか上から覗き込むような視線があって、俺は息をのみ込み顔を上げた。


「だが、妹想いな所は、とても良いと思う…」


ところどころ赤紫がまじった銀髪。その赤紫より赤みが強い外套が、俺の頭上で揺れた。









本(→物語)=檻。
確か、ズヴォリンが持ってる本、書いたのはお師匠でしたよね。確か。お師匠は完全にエレフが冥府におちること危惧して、本の中にエレフの一生を書くことで(ある意味檻の中にいれる??)、読む人の中に黒エレフ以外を残していきたかったんじゃないか、とか…?残す、というより”エレフ”を現世に留める?…あーもう何が何だか分からなくなってきた\(^o^)/

とにかく、その本の檻に居るエレフさんと盗賊組の話でした。






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