志○あきこさんの曲、謳う丘のラプランカパロで白ルキ。






小さい村。大きな都市とは違い、たった千人いるかいないかの狭いコミュニティ。この箱庭は一体、これ以上僕から何を奪うつもりなんだろう。


「ルキア。今、助けにいくからね」


激しい金属音を立てて、黒く染まった剣が僕を拘束していた鎖をちぎる。重いその剣は片手で扱うには重心がぶれて、若干僕の体まで引き裂きそうだった。

ゆらり、久しぶりに地面に立つ。僕を監視していた黒衣を着た男たちは、既に儀式に臨むためにこの場にはいない。居なくて助かった、と僕は独りごちる。今目の前に立ちはだかる邪魔な障壁は、何ものであれ全てを破壊しつくすつもりだったから。


「待ってて、待ってて…。誰に何を言われようとも、僕だけは君を…」



走馬灯のように、白くて美しい少女の姿が瞼の裏を舞った。最初から慈しんでくれる両親もおらず、ひとりだった僕を愛してくれた独りの少女。幼馴染で、詩を紡ぎ力を成す稀有な巫女で、何よりも愛しいひと。小さな箱庭の中の999人を護るために、魔の神へ生贄に捧げられてしまう運命を持つ女の子。
でも、僕にとって999人はそれほど大切でもない。999人よりも一人の方が、僕にとって何よりも天瓶を傾けさせる大事な錘、世界そのものだから。

僕は雷雲蔓延る空を目指すために、地を蹴る。盾よりも剣を取り、世界を取り戻しに行くために。一点に絞られた視点は、彼女しか見えていなかった。






ごめんなさい楽しかった…!アルトネリコ、というゲームは最後までプレイも見たこともないので、曲だけのインスピオンリーということでorz
もちろん捏造してます。生贄に選ばれたルキアを引きずっていくのはノアで、魔の神は黒の魔獣(← で、生贄を助ける可能性のある幼馴染の白鴉は、幽閉されていたみたいな…(^J^)






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -