月夜の邂逅、その後の夫婦





「忘れてた!」

「…ドウシタ、ライラ」

「私、ロラサンに貰ったお菓子、名前聞いてないっ。すっごく美味しかったのよ!…シャイタンにも食べさせてあげたかった…」

「ロラサン、トハ例ノ石ヲ持ッテイタ…」

「うん。といっても、欠片の一部から磨かれたものだったけどね。…やっぱり一度砕かれて、各地に飛び散ってるみたい」

「…ダカラ、気配ガ微弱ダッタノカ」

「ふふ、でもフランスに来てみて良かった。…たとえ、私たちが違う流れにいたとしても、新しい出会いは嬉しい」

「……ライラ、」

「あ、やぁねシャイタン。何回も言ってるけど、私は私の意志であなたと共にあることを決めたのよ?後悔したくないし、もし、後悔したとしても私の責任。だから……って、んもうシャイタンってば何女の子に恥ずかしいこと言わせてるのよ!」

「ッ!ワ、分カッタカラ、髪ノ毛ハヒッパルノハ…!」

「っ!ご、ごめんね…痛かった?」

「イ、…痛クナイ」

「良かった…」

「……ライラ」

「なぁに?」

「我モ、出会イガアッタ」

「!そうなのっ。ね、どんな人?」

「…不思議ト、何処カデ会ッタ事ガアルヨウナ…。僅カニ黄昏ノ匂イノスル…」

「…シャイタン、あなた詩人ねぇ。口説き文句みたい!女の子だったの?」

「口説キ文句ハライラニシカ言ワナイ」

「…っ!シャイターン!!」

「ライラ…」


ぎゅー(ハグ)


「出会ッタノハ、…酒に強い色男?ダッタ」

「ふーん…。私にとっての色男は、シャイタンだけどね!」

「ライラ…!」


またぎゅー


「今度、またフランス来たら、ロラサンと色男さんに会いに行きましょ!」

「…住居、分カラナイ」

「色男さんはゆっくり探せばいつかきっと会えるよ!少なくともロラサンには、砂漠の薔薇渡したから」

「?」

「あの石には、私の力がこもってるから気配を辿れば分かるのよ、ロラサンの居場所。で、次に会ったらまたお菓子もらいたいなぁ…」

「(…菓子ガ目的デ渡シタノカ…?)」

「たっぷり時間はあるんだし。ねっ!シャイタン。これからもずと大好きよ」

「…我モ…」

「さ、このドレス脱いでいつもの服に着替えなきゃ。着替えたら、次はどこの国いこっか」

「…今度ハライラガ決メルトイイ」

「うん!」








ということは、この夫婦、これからちょくちょくフランスに遊びにくるらしいです\(^o^)/







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