短編 | ナノ

今晩はきれいにネイルが塗れた。指先で輝く淡いピンクににんまり。こういう小さなことで喜べるのは女の子の特権だよね。
そう、私は女の子、だ。高校一年生の、年頃のおしゃれが好きな普通の女の子。だから恋くらいする。でも私が好きになったのは、女の子誰にでもかわいいって言うし、好きだって言う人。きっと叶いっこなくて、切ない。





「志摩くん、おはよう」
「おはようさん。今日もかわえぇなあ」
「…ありがとう」





そうしてすぐ終わってしまう挨拶。そのまま出雲ちゃんのところへ手を振る志摩君。
知ってるよ。どんなに頑張ったって私だけを見てくれないってこと。でもね、少しでもいいから、気付いてほしい。爪先ほどの、小さな恋に。




nail pink ( #fce4d6 )



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