昨日は晴れていたのに、うってかわったように今日は雨が止まない。
このまま世界が雨で沈んでしまえばいいのに、と先生は言う。
僕には先生の考えることがわからない。
窓の外をぼんやりと眺めていると、こっちに集中しろと言いたげに僕の上に乗っかった先生が中を締め付けてくる。
意識を持って行かれそうになって、小さく息をつく。僕の胸に手を着いて、自らの身体を上下に揺らす先生。先生の声が部屋に響く。それが酷く心地好い。
このまま、雨が止まなければ良いですね。
僕にはその言葉の意図を測ることが出来ない。
そう呟く先生は、泣きそうで辛そうで、だけど笑っている。
先生は泣かない。
その理由を僕は知らない。
先生の指が、僕の頬に触れる。
僕も、自身の上で達する直前の先生の頬に手を伸ばす。
せんせい、好きです。
そう言うと、先生は酷く泣きそうになった。だけど泣かなかった。笑っていた。笑いながら、何かに傷付いているようだった。僕にはそれがわからなかった。
雨が止まない。先生も泣かない。雨が止んだら、先生は泣くのだろうか。それとも、いつものように笑うのだろうか。
このまま雨が止まなければ良いのにと先生は言う。
僕は、早く晴れてくれれば良いのにと窓の外に目を向ける。
雨は、まだ止まない。
雨が止まない
―…―…―
先生は情緒不安定。