声を漏らすまいと唇をきつく噛んでしまったせいでうっすらと滲んだ血を舐めとった。先生の白い肌には赤い色がよく似合っている。

「ん、んぅ、ぅ…っ」
「ほら、先生」

 ぼう、と熱に浮かされた先生の口は半端に開いていて、そこから覗く真っ赤な舌に目眩がしそうだった。指を差し入れると、チロチロと舌先が動いて酷く卑猥なものに見える。
 先生の唾液で濡れて光る指で、先生の胸の突起に触れる。全身が性感体なんじゃないかと思うくらいに敏感な先生は、ほんの少しの刺激にすらビクリと身体を反応させるから、それがとても楽しくて、ついつい苛めたくなってしまう。

「ねえ先生、胸、そんなに気持ちいい?すごく感じてますね」
「や、やだ…言わないで、くださ…」
「本当のことを言っただけですよ、先生、いやらしい」
「あっああっ!」

 耳の後ろを撫であげると一際大きな声をあげる先生に煽られて、胸と耳だけを執拗に触り続けると、ぼろぼろと先生は涙をこぼしてしまう。本当に涙腺の脆い人だ。顔は真っ赤で、それでも必死に我慢しようとしているのが可愛らしい。

「も…そこ、や、です…っ」
「こんなに気持ち良さそうなのに?素直じゃないんだから」
「いっ…、あ、あぁあっ!」

 胸の突起に爪を立てて強く弾くと、それすらも酷く感じるのか先生は頭を振ってやり過ごそうとする。熱っぽいせいでほんのりと赤く染まっているにも関わらず、白すぎる先生の首筋が目に焼き付いた。そこに唇を寄せて吸い上げる。たった一度ではなく、何度も、何度も。
 そして、柔らかなその肌に軽く歯を立てる。びくんと身体を大きく跳ねさせる先生を無視してゆっくりと歯を食い込ませた。じわりと口内に滲む鉄の味。先生は嫌がる素振りを見せるけれど、それがただ上っ面のものだということを知っている僕は先生に痛みという快楽を与える。

 まるで縄張りを主張するかのように先生の首筋を赤く染める痕。先生の白い肌には赤い色がよく似合う。

 赤と白のコントラスト。僕は欲情する。





コントラスト






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