※静臨
※裏注意








 どれもこれも、一々こいつが煽ってくるからいけないのだ。普段は飄々としていて、余裕綽々といった表情を浮かべてウザいくらいに俺の神経を逆撫でするくせに、こういう時には一転して慌て始める。嫌だ駄目だは口癖のようで、普段の余裕ぶったこいつとのギャップがさらに俺を煽る。だから、俺はこいつとのこの関係を止めることができないのだろう。




「……っ、やだ、離せよ」
「誰が手前の言うことなんか聞くんだよ」

 ぎりぎりと臨也の両腕を頭上でまとめあげた。コンクリートの壁に押し付けた細い身体が欲をそそる。そのままれろりと舌で耳を舐めれば、びくりと身体が震えた。その反応が面白くて仕方がなくて、そこばかりを噛んだり舐めたりを繰り返す。

「ふっ……あ、耳、やだ……っ、うる、さいっ……!」
「あ? 耳舐められただけで起たせてるくせに何言ってやがる」
「ぅあっ……!」

 ぐっ、と膝頭を臨也の股間に押し当てて力を込めれば、簡単に悲鳴があがった。

 さて、ここで二つの選択肢がある。

「おい臨也」
「は、あ、……な、に……」
「手前、ここでこのまま続きをするのと、俺の家に来るの、どっちがいい」
「えっ……、」
「俺は優しいからな、手前に選ばせてやるよ」

 そう言って膝で再び臨也のソレを弄れば、臨也の目が揺れた。いくら人通りが少ないとは言え全く人に目撃されないとは限らないこの路地裏と、多少ボロくはあるものの室内である俺の部屋と。臨也のようにプライドの塊のような人間からしてみれば、他人にこんな姿を見られるなんてとんでもない話だ。しかもこんな路地裏ではラブホテルじゃあるまいし、慣らす物も普通置いていない。だが俺の部屋に行くということは自分からこの行為に同意したようなものだ。そんなことで揺れているこいつがたまらない。ゾクゾクする。

「……、が、いぃ……」
「あ? 聞こえねえよ」
「ひっ、あ、やっ……シズちゃ、の、部屋がっ、いいっ!」

 ガリ、と耳朶に歯を立てながら膝に込める力を強めれば、泣きそうな声で臨也が言葉を洩らした。ああ、楽しい。言質もとったことだし、これからが本番だ。

「まあ手前が言うなら俺の部屋にしてやるよ」
「ぅ……っ、て、なんで下、やだ、脱がせんなっ……!」

 ガチャガチャと片手で臨也のジーンズのベルトを弛め、すっかり起ちあがった臨也のソレを下着越しに掴んだ。下着ごと上下に擦りあげるようにして手を動かせば、布の刺激にびくびくと身体を跳ねさせる。臨也の先走りで布が湿ってきて、羞恥のためか顔を真っ赤にさせる臨也にさらに興奮した。ぐちゅぐちゅと手の動きを速くして擦りあげる。やだやだと首を振って、声を洩らすまいと唇を噛み締める臨也。もうすぐ達するだろうという所まで追い詰めて、そこでようやく手の動きを止めた。臨也の目が恨めしそうな色を浮かべている。そういえば、と思い出した俺は、ポケットを探りそこから取り出したあるものを臨也の目の前に晒した。

「な、んで……そんなものがシズちゃ、の、ポケット、にある、わけ……」
「押し付けられたんだよ、ほら、痛い思いしたくなかったら舐めろ」
「んぅっ……!」

 そう言って臨也の小さな口にあるもの……細身のバイブを押し込んだ。仕事が仕事なもので、そういった玩具や何やらを押し付けられる機会がたまにあるのだ。そして今日はたまたま、そんなものを押し付けられていて、そんな時にこいつに出会したのだった。

「んっ……ふぅ……っ!」
「後ろ慣らすぞ」
「んんっ……うぅっ!」

 俺も自らの指を唾液で濡らし、臨也の後孔に這わせる。だらだらと漏れていた先走りの液の滑りも借りて、ぬるりと一本指を差し入れた。何度も俺を受け入れたことのあるそこは最初だけは固く侵入を拒むものの、快楽に弱いことを知っている。入り口の辺りをゆるゆると刺激し、少し奥まったところにある臨也の感じるそこをぐっと押すとびくりと身体が跳ね上がった。中を広げるようにもう一本指を入れ、乱雑な動きでそこを慣らしていく。適当な所で指を引き抜き、臨也の唾液で濡れたバイブをそこにあてがった。

「やだ……、や、ああああっっ!!」
「ほら、あんまり喘ぐと気付かれるぞ」
「う、あっ……」

 衝撃のため生理的に浮かんだ涙が頬を伝い落ちた。あの折原臨也が泣いているという事実は、俺を酷く興奮させる。そして臨也の自身にゴムを装着させた後、下着とジーンズをきちんと履かせた。

「あぅ……、は……」
「ほら、俺の家に行くぞ」
「え……、う、そ……やだ、これ抜いてっ、……っひああっあっあああ!!」

 ごちゃごちゃ文句を言われる前に、コードレスのリモコンで中に埋め込んだバイブの電源を入れた。細身ながらも振動が何段階にも分かれていて凄い、とこの玩具の説明を受けたような気がする。臨也の一番イイ所を刺激するように挿入しているはずだ。これからのことを考えると口元が弛むのを抑えられない。

「じゃあ行くぞ」
「あぅっ……は、むりぃ……!」
「到着するまでに何回イくか見物だな」
「……あっ、ひっあああっ!!」

 言葉と共にバイブの振動を最大に引き上げると、臨也は身体を大きく震わせた。浅い息を繰り返す所を見ると、どうやら達したらしい。振動を弱にしてからそのまま臨也の手を引いて路地裏を出た。普通の通りに出てからは少し離れて歩く。臨也の足取りは酷く遅い。顔を真っ赤にさせて、俯いていた。
 ゴムを装着させたのは、視覚的にどれくらい吐き出したのか、ということを臨也本人に確認させたかったからだ。が、この調子では帰り着くより先に溢れるんじゃないかと疑う程だった。おそらくだが、臨也はこの状況に酷く興奮している。気まぐれにバイブの振動を変化させると、上がりそうになる声を必死に抑える様が嗜虐心をそそった。

「そんな進みじゃ俺の家まで何時間かかるか知らねえぞ」
「うっ……あ、は……シズちゃ、……っっ!!」

 ああ、また達しただろうな。ぶるぶると身体を震わせる臨也が面白くて仕方がない。そうだ、途中でコンビニにでも寄らせて買い物をさせよう。駄目だ、ついついにやけてしまう。そんな事を考えながら、俺は再び臨也の不意をついてバイブの振動を最大に引き上げた。








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2010.3.25
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静臨/鬼畜/裏


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