※シズイザ
※鬼畜裏(玩具、拘束、尿道攻めなど)注意
※猫の日に間に合わなかったね!!









 ノミ蟲の声が、静かな室内で響いている。蟲の声とはよく言ったもので、それはもごもごと言葉にならない、本当に些細なうめき声のようなものだった。ノミ蟲はどうやら、口元に付けてやったギャグボールのせいで上手く言葉を発せないらしかった。

「おー、どうした」
「ふー、う、」
「何言ってるかわかんねえよ」
「っーーーー!!」

 質問に答えないノミ蟲に腹が立って思わず手元のリモコンのつまみを最大にひねると、ノミ蟲は身体を大きくびくつかせた。腹に付くんじゃないかと思うくらいに反り返ったノミ蟲のペニスの先には細長い棒が刺さっているために、先ほどから何も吐き出すことができていない。こうしておかないとノミ蟲は粗相してばかりだからだ、これはいわば躾のようなものである。

「でもよぉ、やっぱり似合ってるな、それ」
「、……っ、う」
「手前、猫みてえだもんな」

 ベッドの上でうずくまっているノミ蟲は、その頭に黒い猫耳のカチューシャを装着し、首元には鈴付きの赤い革製の首輪、そして後孔には猫耳とお揃いの黒い尻尾がついたバイブが挿入されている。首輪に繋がる鎖はベッドの柱に繋げている。勝手に玩具諸々を外されても面倒なので、両手は後ろ手に手錠で拘束しておいた。最初のうちはがちゃがちゃと鎖が擦れる音だけでも不快だったが、しばらく放置していたら大人しくなった。
 だがしかしあまりに抵抗がないのもつまらない。無駄な言葉はイライラするから聞きたくはないのだが、そろそろ折れる頃合いだろうし、口くらいは解放してもいいかもしれない。ギャグを噛ませたままではフェラをさせるにしても具合が悪かった。
 それまで少し離れた所から臨也の姿を見ていたが、ゆっくり近寄ってやる。と、臨也はゆっくりとこちらを見やり、身体を強張らせた。何をされると思っているのか。
 手早く口元のギャグボールを外してやると、臨也はかはっと一度咳込んだ。そして先ほどのくぐもった声とは違って鮮明な、しかし耐えるような喘ぎ声が室内に響く。

「っ、う、や、……っ!」
「イザヤ君よぉ、せっかく口解放してやったんだから、まずは言うことがあるだろ?」
「……、し、」
「し?」
「し、ね……っああああ゛あ゛―――!!!」
「ちがうだろー? イザヤ君は学習能力ってもんがねえのか? ああ、脳みそノミ蟲だから仕方ねえか」

 生意気なことを言うノミ蟲には制裁として尿道バイブの電源も入れることにする。せっかく刺すだけで留め、弄っていなかったというのに人の好意を踏みにじりやがって。その涙で潤んだ真っ赤な目を見開き、ふるふると首を左右に振る臨也の姿には酷く興奮した。

「口解放してくれてありがとうございました、だろうが」
「、あ、あ、」
「ありがとうございました、だ」
「っ……! あ、りが……ざい、まし、た……っ」
「……まあいいだろ」

 ぶるぶると震える前と後ろのバイブに、臨也はもうまともに思考もできていないようだった。俺は臨也の声そのものは好きなので、その心地よい響きが鼓膜を震わせることに快感を覚える。ぼろぼろと涙をこぼしながら、ビクビクと痙攣する様は酷く愉快だった。

「なぁ、イザヤ君よぉ」
「ひっ、ああ、やっ、」
「せっかく猫耳付けてるんだし、猫みたいに喘げよ」
「ふ、ざけ……っ!?」
「猫が喋るわけねえだろ? なんで手前は日本語喋ってんだ?」

 理不尽なことを言っているなあという自覚はあったが、相手がノミ蟲なのだから構わないだろう。尻尾バイブを前後に揺すってやると、臨也は息を詰まらせた。そのまま前立腺を狙ってぐりぐりと刺激してやる。面白いくらいに腰が跳ね、どうやらまた達したらしい。もちろん尿道は塞いでいるので吐き出す物など何もなかった。

「なぁ、鳴けって」

 声をかけても、臨也は力なく首を横に振る。口からはだらだらと涎を垂れ流しているくせに、まだ抵抗するのか。仕方がない、俺は優しい男なので、臨也が望むことをしてやろうと思う。

「手前が猫みたいに喘いだら、そうだな、前は解放してやってもいい」
「っ……!?」
「なあ、そろそろ吐き出してえだろ?」

 プライドの高いこいつのことだ、これくらいの交換条件を出してやらないと猫みたいに喘いだりすることはないだろう。だから俺としては最大限の譲歩だ。臨也の瞳に葛藤の色が見えた。しかし俺が尿道バイブに手をかけ、ゆっくりと出し入れを始めると狂ったように鳴き始めた。

「に、にゃ……ああっ、にゃあ……!!! おねが、も、はずしてぇ……!!」
「……」
「ね、なんでっ……おれ、鳴いた、はずしてよ……ひあああアアアアッ!!?」

 やっぱり外すのやめようかとかしばし考えたが、俺は誠実な男だから、約束は守ってやることにする。ぎりぎりまで挿入された尿道バイブを勢いよく引き抜いてやれば、だらしなく精液を吐き出した。長い間せき止められていた白濁は勢いよくシーツや臨也の腹に散らばる。

「あ、あああ、や、……っ!」
「だから、猫みたいに喘げって言ってるだろうが」

 達したばかりで白濁に濡れているペニスを握りこみ、再び擦りあげる。もういやだと臨也は泣きじゃくるが、シーツを汚すという粗相をしたこの猫には、お仕置きが必要だと思った。悪いことをしたらその場で叱るのが躾のポイントなのだといつだったか幽から聞いたことがある。


「な、ずっと飼ってやるよ」

 ちゃんと言うこと聞く猫になるまで躾けてやると微笑みかければ、臨也の赤い瞳が、揺れた。




きみはペット




2011.2.23


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