※九十九屋×臨也
※裏注意
※変態な九十九屋さんでも許せる方へ










【さあ、準備は出来たか?】

 画面に映し出された無機質な文字列。苛々する、苛々するのは確かだが、これは自分の失態による結果に相違ない。

「……どうせこの声も、聞こえてるんだろう、変態」
【変態とは手厳しいな、折原。よく似合ってるぞ】

 舌打ちする。何処かに監視カメラと盗聴機を設置しているのだろう。探す気力も削がれていた。今は早くこの変態を満足させるのが先だ。
 そもそもの発端は、俺の致命的なミスだ。確かな情報を求めるお得意様に、誤った情報を流してしまった。今後の情報屋としての働きに損害を与えかねないミスに、この画面の向こうにいる男……九十九屋が、手を貸したのだ。

【じゃあまず、スカートの裾を持って、下着を見せろ】
「……っ、」
【ほら早くしろ折原。ちゃんと下着も準備してやっただろう? まさかそれを履いてないとは言わせないぞ】

 羞恥のために頬が熱くなるのを感じる。悔しい、なんで俺がこんな奴の言うことを聞かなきゃいけないんだ。しかし悪いのは俺だし、これは正当な取引なのだ。

「こんなことするのは、一度きりだからな……っ」
【ほら、早くしろ。それとも履いただけで勃ったりしたのかまさか。女性物の下着は窮屈だろう】
「……、うるさい……!」

 恐る恐るスカートの裾を持ち上げて、下半身を晒す。女性物の、白地にピンクのボーダーの下着はそれだけで羞恥を煽った。
 紺のニーソックスに、膝より少し上の丈のプリーツスカート。襟元のスカーフ。『情報の代わりに、一晩俺の指示に従え』そう言う九十九屋から送られてきた段ボールの中身は、セーラー服一式、女性物のブラとショーツ、そして様々な小道具だった。変態だ。サイズがピッタリだということまで含めて、改めてこの男の変態性を認識する。

【興奮しているのか? 今からどんな指示をされるか、期待してるんだろう?】
「そんな、わけ……」
『あるだろう? お前は変態だもんなぁ、折原』

 スピーカーから、いきなり音声が漏れる。機械で合成したような無機質な音。突然のことに目を見開く。

『わざわざ画面を見る手間を省いてやったんだ、感謝するんだな』
「……、この音声解析してやるからな……」
『そう簡単に足がつくようなこと、俺がするとでも?』

 九十九屋の言う通りだった。この男は俺より数段も上手で、だからこそ今回俺の窮地を救ったのだ。腹は立つが、ここで喚いても埒があかない。

『お喋りはこれくらいにしようか折原。始めよう』

 大きく深呼吸をする。この男に抵抗しても無駄なのだ。これは、取引だ。そう自分に言い聞かせる。我慢、我慢しろ折原臨也。







 ぐちゅぐちゅと前を擦る手の動きが早まる。ベッドの上に座り込み、スカートの中に手を突っ込んで自ら慰めていた。ショーツは両足のふくらはぎのあたりで丸まったまま引っ掛かっていて、大きく足を開くこともできない。

『そんなに気持ち良いのか? 乳首もそんなおもちゃだけじゃ足りないだろう』
「ふ、っ、ぅ……、は、あ、あ……っ!」
『女装して、オナニーして、一人で気持ち良くなってるなんて……とんだ変態だな』
「うぁ、あ、うるさ、い……!」

 機械で合成された音声は酷く耳障りだった。胸元に感じる振動は、敏感な部分を刺激する。気持ち良いのは事実だった。セーラー服に女性物の下着、倒錯的な恰好に、確かに興奮していた。

『ほら、指を入れてみろ。ローションも準備しておいただろう』
「っ、は、……、ん、んんっ……!」

 九十九屋の用意した小道具からローションらしきボトルを取る。ぬちゅ、と音をたてる液体をまんべんなく手のひらに垂らし、ゆっくりと後ろに指を侵入させた。違和感はあるが、滑る液体のおかげか痛みは感じない。二本くらい平気だろう、と無機質に言われるがままに指を追加させる。

『ローションを足しながら、ゆっくり、ゆっくり動かすんだ。どうだ?』
「ん、……どろどろ、……は、ぁ……な、んか、違和感……、が……っ、ぇ、あ、あ……?」
『どうかしたか折原?』

 機械の音声でも、画面の向こうで九十九屋が笑っているのがわかる。大量のローションで濡らした後孔が熱を持ち、息が荒くなる。くそ、この男が準備したものがまともなものであるはずがないじゃないか。

『どうした折原、後ろでも疼いてきたか?』
「つく、もや……っお前、っ……!」
『予想通りだよ、催淫成分の強いローションだからな。ほら、足りないならもっと後ろを弄ればいい』
「ふ、あ、あ……ひ、っや、あああっ……!」

 とにかく、足りない。中がぎゅうぎゅうと指を締め付け、上手く動かせないのが辛い。

「あ、やだ、中、つら、い……! つくもや、ぁ……!」
『指をそんなにくわえこんでてか? はしたないな折原は』
「ひ、ぅう……! は、ぁ、あ、んんっ……!」

 足りない、足りない。指じゃ中の疼きが治まらないなんてわかりきっていた。九十九屋からの段ボールの中を漁る。予想通り、男性器を模したゴム製の玩具が見つかり、それを手にとった。が、そこで九十九屋の制止の声がかかる。

『まだ駄目だ。指で我慢するんだ』
「や、だ、……むり……、だから……!」
『駄目な物は駄目だ。俺の指示は絶対だぞ』
「うぅ、……、ね、も……つら、い……っ……!」
『それ以外の道具なら、なんでも使っていいがな』
「ぅ、ぁ……? ほかの、……」

 言われる通りに、再び段ボールの中身を探る。リコーダーやリレーのバトン、指示棒……他にも色々と学校生活の中で見たことがあるようなものばかりで、この男のこだわりが伺えた。この中では一番ましだろうと思い、透明なガラス製の……試験管を掴む。

『化学の実験でもするつもりか?』
「ひ、ん、んん……っ、は、あ……!」
『折原は中学生の頃、理科の成績が優秀だったみたいだな』
「ゃ、あ、……なん、で……」
『まあ理科だけじゃなく全体的に優秀だったみたいだな。音楽と美術は少し劣るが』

 この男は俺のことなんてお見通しらしい。つくづく俺よりも上手だと感じる。四つん這いになれという指示のままに腰を高くあげ、試験管を突っ込んで中を抉るように動かした。冷たく固い試験管に一瞬びくつくが、直ぐに違和感も無くなる。試験管の先が良いところを擦り上げ、声が止まらない。

「やぁ、あ、あああっ、! あ、……!」
『そんな細いのじゃ足りないだろう』
「たりな、たりない……! なか、ぐりぐり、太い、ので、抉って、ぇ……!」

 試験管を引き抜き、リコーダーに手を伸ばした。さすがにそのまま挿入するのは怖かったので、仕方なくそれにもローションを垂らす。これ以上このローションを使うのは避けたかったのだが、後ろが裂けるよりはましだ。

『苦手な音楽に挑戦とは、折原はいい子だな』
「うる、さ……ぁ、ふ、とい、い、っん、あ、ああっ……!」
『本当に変態だな。スカートまでぐっしょりじゃないか』
「や、あ、あ、……! ひぁ、んうぅっ……!」
『そうしてるとただの変態な女の子にしか見えないぞ折原。好きな男の子のリコーダーは美味しいか?』

 言われて、自分が今女装している事実を思い出す。気持ち良くて、中を抉るリコーダーを動かす手が止まらない。先ほどの試験管よりも太く、凹凸があるため刺激が強かった。胸元のローターの振動も相まって、達しそうなのがわかる。気持ち良い。イきたい、早く楽になりたい。

『そういえば折原』
「ふぁ、や、あああ、あっ、ああああ゛、あ゛……!」

 これ、録画してるから。変態なお前の姿は、全部。




 変態男の声が室内に響くのと、俺が達するのはほぼ同時だった。








ムシャクシャしてやりました







2010.9.30
タイトル=私の気持ち
電撃の公式海賊本が九十九屋と女装臨也だと聞いて
読めないムシャクシャをぶつけてみた


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