「ほんと、反応が一々童貞臭いんだよねぇ」
「っ、……っ!」
「ね、俺の格好にドキドキしたでしょ?」

 俺に馬乗りになったまま、臨也は俺の頬に指をなぞらせてにやにやと笑う。あれもわざとだったのか……白い太ももが視界に映る……くそ。

「それにしてもシズちゃんってイイ身体してるね、ゾクゾクするよ」
「うる、せえ……」
「あは、意地なんて張らなくていいからさ! とりあえず、されるがままでいてね」

 言うが早いか、臨也は俺の上に乗っかったまま向きを変えた。臨也の尻が俺の顔の方に向いて、臨也の顔が俺の股間に……所謂シックスナインとかいう体勢じゃないのかこれは(高校時代に同級生に無理矢理見せられたエロ本にそう書いてあった気がする)。カチャカチャとベルトが緩められ、ボクサータイプの下着越しに臨也が俺自身に頬擦りする。目の前では白い太ももが晒され、ちらちらと臨也のモノが視界に入った。猫とやらはこんなに色気があるものなのかと驚くと同時に、下着から自身を取り出された。外気に晒され、寒い。

「あは、シズちゃんのおっきぃね」
「だま、れ」
「なのに童貞なんだぁ、可愛い……ん、ちゅ」
「っ……!」

 先端に生ぬるい刺激が走る。今まで誰も他人には触られたことのないそこに、舌の感触が伝った。猫だからなのか、ざらりとした舌が竿の部分を舐めあげて、一気に性感が高められる。

「ん、あ、先走り、出てきたよ?」
「うあ、だ、まれ……っ……!」
「ん、シズちゃんの、……ふ、んむ……」

 臨也の口内に迎え入れられ、その温かな感触にどうにかなりそうだった。口に入りきらない根元の部分を手で擦りあげられ、先端を喉の奥の方の粘膜で擦られ、我慢が効かない。
 臨也も興奮しているのか、緩く起ち上がっている。ソレを唇に押し当てられ、先端を軽く擦るように腰を前後させる。ぬるりとした粘液が唇を濡らした。

「んむ、ふ、はう、……ひうひゃんろ、おいひぃ……」
「しゃ、べんなっ……!!」
「ふふ……は、ん、ん……」

 ゆらゆらと腰を揺らしながら、臨也は俺を追い詰めていく。口の中に含まれたまま喋られてはたまったものじゃない。目の前で黒い尻尾が揺れている。くらくらした。認めたくはないが、気持ちがイイ。経験値が低いせいで、こんな猫なんかに主導権を握られて情けねえ……くそ。

 俺は、


口に押し当てられた臨也自身に舌を這わせた。
目の前の尻尾をぎゅっと掴んだ。


BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
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