「お前は嘘をついてばかりだ」
「貴方も嘘をついてばかりですよ」

互いに互いを騙しあう僕らの日常、
嘘をつくことに慣れてしまった僕らの日常。

「貴方は私の初めての友達ですから」

これは嘘。

「またテニスしたいね、」

あぁこれも嘘。

嘘を嘘で固めて、本当のことを塗り潰した。
無理矢理な綺麗事で固めた日々も、いつかは軋んでしまうだろうけれど、そんなことはどうだって良い。

「私は月くんがすきです、」

これも嘘。

「僕も竜崎をあいしてるよ」

あぁ、これも嘘だ。

互いが互いの言葉を信じない、
そう、だってこれは全部嘘だから。
狼が来たと嘘をついていた少年が信じられなかったみたいに、
僕らも互いを信じない、
信じたら敗けだ、

そう、この気持ちは嘘、
所詮虚構の作り物、
僕らは嘘に嘘を重ねて嘘に嘘で返して嘘を嘘で上塗りしてまた嘘を吐く、


「あいしてる、」




lie




(嘘を嘘で返したら、いつか本当になってくれるのだろうか、)



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