※古キョン古
※大学生パラレル
※アパートお隣さん







「これでよし、と」

 洗濯物は取り込んだし、古泉の布団もばっちりだ。ガスの元栓も閉めて、電気も消した。外は寒いからコートを羽織って、鞄を手に部屋を出る。がちゃがちゃと鍵をかけている所で、トントンと階段を上がる足音がした。

「あれ、今からバイトですか?」
「ああ。古泉は今日は早かったな」
「ええ、どうやら風邪が流行ってるみたいで早めの解散になってしまいました」
「そうか」

 部屋の鍵がきちんとかかったことを確認して、古泉と向かい合う。

「布団、干しといたから」
「ああ、いつもいつもすみません……」
「気にすんな、俺がやりたくてやってることだからな」
「……ありがとうございます」

 えへへ、と柔らかく微笑む古泉に、少しだけどきりとする。なんだかんだ言ってこいつの顔は綺麗で、それはイケメン系と言うよりは中性的で美人と言った方が良くて。やっぱり美人を見て悪い気はしない。

「あ、そうだ」

 思い出したように古泉は声を上げ、鞄の中身をがさごそと漁り始める。何事かと見つめていると、手帳と一緒に小さな紙が出てきた。

「公演の日取りが決まったんでお知らせしておきますね、これ、チケットです。良かったら見に来てください」
「おお、決まったのか。いつもいつも悪いな」
「いえ、僕としても一人でも多くの人に見て頂きたいですから」

 今からバイトなのに引き留めてしまってすみません、とチケットを渡しながら古泉は小さく頭を下げる。チケットを受け取り、財布に突っ込んだ。そろそろ出ないとバイトに遅刻してしまう。1分でも遅刻したらアイツ煩いんだよなぁ。帰りに私とみくるちゃんに肉まん奢りなさいよ!なんてよくある話だ(みくるちゃんというのは俺のバイト先の先輩だ。愛らしい。ものすごく愛らしい。天使が現世にいるのならば、皆ああいう見目をしているに違いない)。だが貧乏大学生にとってはその110円×2がたいへん貴重なのである。俺は鞄に財布をしまい、マフラーを首に回した。

「じゃあ行ってくる」
「バイト頑張ってくださいね」
「そういうお前も頑張れよ」
「ありがとうございます」

 古泉には柔らかな笑顔がよく似合う。俺は自転車を跨ぐと、バイト先に急いだ。





*――*――*
キョンはファミレスとかでバイト、キッチン担当
ハルヒやみくるちゃんはホール担当
古泉は小さな劇団、劇団あかだまに所属、俳優を目指してる
もちろんバイトとかもしてる
長門はどこに出そうかな……ファミレスの常連さんかな


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