※古泉とキョン大学生パラレル
※俺と隣人の話 続き? 同軸の話
朝。携帯のアラームで目が覚める。枕元の携帯に手を伸ばす。が、俺の携帯は静かなものだった。はぁ、とため息。またか。薄い壁の向こうにあるだろう、隣人の携帯を壊してやりたくなった。
「おい古泉起きろ」
壁をごんごんと叩く。ふぇ、と情けない声。しばらくしてからようやく携帯のアラームが鳴り止んだ。
『おはようございます』
「いい加減自分のアラームで起きてくれないか」
『すみませ……ふぁ、』
あーあー、大きな欠伸だこと。大学であんなにキャーキャー言われてるコイツがこんなんだって知ったら、女の子たちはどうするんだろうね。
このアパートで最も苦労することと言ったら、なんと言っても壁の薄さだ。だいたい、隣の部屋の携帯のアラームが聞こえるとか異常じゃないかと思う。掃除機や洗濯機やシャワーの音が……というのはある程度想像していたが、まさか携帯までとは……アパート生活あな恐ろしや。
「おい、ちゃんと起きてんのか? 稽古始まるんじゃないのか」
『ふぇ……あ、ああ!』
壁の向こうから、慌てて活動を始める音が響く。もうちょい静かにしないと1階から怒られるぞ……と思ったが、確か古泉の下の階は空き部屋だったな(因みに古泉は角部屋で、このアパートは2階までしかない。つまりコイツの被害にあってるのは俺だけということだ)。
今日は土曜日だ。天気もいいし、ついでに布団も干しておこう、ああ、古泉の分もだな(放っておくとあいつは洗濯物すら山積みにしてしまう)。どうせバイトは夕方からだけだし、それまでには綺麗に乾くさ。
俺の朝は、古泉を起こす所から始まる。
―…―…―
キョンの1日。