【静雄→臨也/ほんのり性描写】




こんなの、ただの暇潰しにすぎないよ、と臨也は言う。
退屈で退屈でたまらないから、それを紛らすためにセックスしてるんだよ、と。

「だって化物と抱き合うなんてさ、刺激的でしょ?」

気持ち良いからって気を抜いてたら、そのまま俺、殺されちゃうかもしれないし。
クスクスと俺の下で笑う臨也は、酷く妖艶だ。恋愛感情なんてそこには存在していない。ただの暇潰し、暇潰しだ。
真っ白なシーツの上に散らばる臨也の黒髪を一房、摘まんでみては直ぐに離す。そうして指先で臨也の髪を弄っていれば、不機嫌そうに臨也が俺の首に手を回してきた。

「ねぇ、続き、しないの?」

暇すぎて寝ちゃいそう、と、まだ中に入ったままだった俺の自身をきゅう、と臨也が締め付けた。

「あのさ、そんな恋人みたいなことはしなくていいんだよ」
「あ?」
「暇潰しだって言ってるでしょ……刺激的じゃなきゃ、やだ」
「手前は一々文句が多いんだよ」
「いいでしょ? そっちのが燃えるし……ん、ほら、はやく動いて……じゃないと寝ちゃうから」

ふぁ、と小さく欠伸をする臨也を、じっと見つめる。その目元にはうっすらと隈ができていた。

俺は知っている。
臨也に言わせるところの「暇潰し」であるこの行為のために、臨也は徹夜してまで仕事を片付けていることを。

「素直じゃねぇよな、手前はよ」
「何の話? いいから、ん、はやく……」
「手前に言われなくても勝手にやってやるよ」

そうして臨也の鎖骨に舌を這わせ、そのまま細い首筋に軽く歯を立てる。

「ああ、化物に食い殺されるかも」
「簡単には殺さねえ、じっくり味わってやるからよ」
「はは、俺、死んじゃう」

クックッと楽しそうに笑う臨也の、その首筋は甘い。軽く腰を揺すれば、簡単に甘い声が上がった。




暇潰し

101115 (Mon) 21:59

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