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長い1日だった。そうこれで1日分だ。意味がわからない。今日の朝までは暢気に、今日は何して過ごそうかと胸を踊らせていたはずなのに…。気付けば今日も終わろうとしている。ちなみに体の疲労がはんぱない。1日ヤツに連れ回されたストレスだ!
ナマエはぐだぐだと考えながらベッドに沈んでいる。そのまま眠りにつきそうだったが辛うじてサラの声で現実に引き戻された。

「それにしても意外ねぇ」

「なにが?」

「リドルのことよ。ナマエってばそういうことに全然興味なさそうだったのに」

「あー……」

なんとも返事のしづらい話題だ。興味なさそう、というより実際興味なかったのだ。確かに顔を見掛ければイケメンだなぁ、くらいは思っていたものの仮とはいえ恋人同士だなんて。

「まぁ、うん。でも…」

「私応援してるわ!ナマエが恋に目覚めるなんて。5年も一緒にいてこんなことなかったもの。そうだ、日本の習わしではおめでたいことがあるとオセキハンを食べるんでしょう?早速………」

サラはいいやつだけどこれだけは受け入れられない。いつも自分の世界に入り込んでしまうのだ。しかもお赤飯って……。無駄に記憶力がいいのも困りものだ。(前に何度か日本の文化について話したことがある)こういうときは勝手に喋らせているに限る。
そう思いナマエは本格的に寝ようと思い目を閉じた。





会いたかった







「え?」

「何、ナマエ?」

「今何か言った?」

「何かって…、聞いてなかったの?まずあなたの服装をもっと可愛らしく………」

サラじゃない?

今の声はいったい……

声というよりは、なんだろう。直接頭に響いてくる感じかもしれない。あぁ、もうわけがわからない。リドルには捕まるし変な声聞いちゃうし。いやまぁきっと疲れてるんだ。幻聴を聞いてしまうなんてとんだストレスを与えられたものだ。
もう寝るしかない。自分の体第一!サラがまだなにか喋っているが早く寝てしまおうと頭から布団をかぶった。






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Things base and vile, holding no quantity,
Love can transpose to form and dignity.
Love looks not with the eyes but with the mind,
And therefore is wing'd Cupid painted blind.
(A Midsummer Night's Dream / William Shakespeare)