04
さて、19時30分前です。私は今大学に向かって歩いています。日は暮れたけど昼間の暑さが残っていてまだまだ暑い。そのせいではないけれど足取りは重い。高尾にああも言われたし、やっぱり断るべきか、と考えてさらにそれを赤司くんに伝えることを考えると嫌でも重くなる。どうやって切り出そう。てゆうか今日もジャージじゃなくていいとか逆に何するんだろう。なんで昨日ちゃんと聞かなかったの自分!なんか急に怖くなってきた。めちゃくちゃ不安。
大学まであと10分程度、というところで後から車のクラクションの音が。
「苗字さん!」
赤司くんであった。おおい、まじかよ18で車持ってんの?どういうことなの、すごすぎでしょ。あ、でもちゃんと初心者マークついてる似合わないな。と一瞬のうちにいろいろ現実逃避してしまった。心の準備ができてなかった。
「あ、赤司く…」
「とりあえず乗って」
乗った。
馬鹿か私は。違う、違うの。大学前で会って、苗字さんお待たせじゃあ行こうか、ちょっと待って、え? 赤司くん悪いんだけどやっぱり私…っていう流れの予定だったの!だって道で一時停止してる状態で待たれちゃ乗るしかないじゃん!?結構ここ車の通り激しいし!乗るしなかったの!僕の家、ここから30分くらいだから、と言う赤司くんに力なくそうなんだーとしか答えられなかった。
結局、車内でも話を切り出すことはできずにとうとう赤司家に到着してしまった。ってゆうか赤司家じゃなかった。赤司邸だった。なにこの家。私の家の3倍くらいある。そして純和風。どうしよう私普通の格好で来たけど着物とか着た方が良かったの?いや、持ってすらいないけど。
「さ、どうぞ」
そう言ってガラガラと扉を開ける赤司くん。その横にある、指紋センサーと思われる装置も見逃さなかった。そしてなぜ赤司邸を訪れているかといるとなんと赤司くんの家には個人用のちょっとしたジムがあるそうだ。もうほんと金持ち怖い。晩ご飯もお手伝いさんが作ってくれるらしく非常に美味しいそうだ。楽し…違う、私はそれを断るためにですね…!
「晩ご飯を出すって言っただろう?せっかくだから食事しながら話そうと思って」
なんですって、それは楽しみだ。
それが顔に出てしまったようで赤司くんに笑われた。
「ただその前に少し身体測定をしたいんだけど」
「え」
「筋肉量とかも見ておきたいし」
そう言われて通された例のジム。スペースはさほど広くはないけど確かに個人で使うには十分というか全身の筋トレマシーンが揃っているように見える。金持ち怖い。
「じゃあ、体重からね」
「え、え、赤司くんが測るの?」
「僕がトレーナーをするんだから当たり前だろう?」
「いや、あの、さすがに体重は抵抗あるっていうか…」
「苗字さん、どうせ…kgくらいだろ。確かめるのに測るだけだから気にしないで」
良い当てられたので反論することもできず大人しく出された体重計に乗った。もともと体重増えないから気にしてなかったけど、こんなに体重言うの嫌だったの初めてかもしれない。
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