ぬくもりプライスレス05
あれ、興奮が収まったと思ったらずっとテンションあがりっぱなしだったせいか寝てしまっていた。ベッドがぬくい。気持ちいい。あれ、そういえばリドルは?私が抱っこしていたはずだっ……た………
「おはよう」
「ぉ…はよう、ございま……あの…リドル?」
「何かな?」
「なぜ首に手があてられているのでしょうか?」
「ん?これから絞めようと思ってたところだよ」
おおおおおまさかそんなばかなまさかのこのバッドエンド!?そう、起きたら、戻っていた!ショタリドルではなく、もういつものR I D D L E !
挙句の果てに命の危機。ジーザス!
「よくも僕にあんな馬鹿みたいな魔法かけてくれたね。ダンブルドアにまであんな格好を見せる羽目になるとはね。それとも狙っていたのかな?」
「いいえ、そんな滅相もございませぐぇ、」
「言い訳は聞きたくない」
「(ひぃぃぃいぃぃぃいいぃいぃぃ)」
リドルが笑ったまま怒っている。公共の場ではよくあるけれども2人でいるときはここぞとばかりに怒りを露わにする方だから、これはもうそうとうお怒りのようで…!かと言って状況を打破する策も思い浮かばない。アウトです!アウト!
「あの、でもリドル、」
「なんだまだなにか」
「可愛かったうぐえぇ」
「絞めないと黙ることができないのかな?」
「あの、だって、寝ちゃったときとか、私、抱っこしてたんだけどさ。うぐぇ、ちょ、待って待って」
「………」
「なんか、こういうのいいなぁって。私が抱きしめててすごく気持ちよさそうに寝ててね。なんか幸せだった」
そう。興奮の中に交じって思ったのは、リドルの子どもの頃で。詳しく聞いたわけでもないし、リドル自身話したくないようなので聞いてはいないんだけど、孤児のリドルは、こうして抱きしめられて眠るとか、あったのかなぁ、とか考えて勝手に自己満足なわけだけど嬉しくなったりしちゃったのだ。
「それがショタコンの言い訳か」
「なんで知ってる」
「知らないとでも思ってたのか」
「え、はぁ、すみません」
白い目で見られはしたが、とりあえず首にあった手は離してくれた。てゆうか首絞められてることにびっくりしすぎてスルーしてたけど完全に馬乗りなんですけど。重いわ!
そのままどいてくれるのかと思いきや、こてんとリドルは私の方へ体を倒してしまって覆いかぶさる形になる。
「リドル?」
「寝る」
「え?」
「お前のせいで疲れた。寝る」
「いや、私起きたばっかなんだけど」
「寝ろ」
「はぁ…」
「痛い」
「何が」
「胸、まな板すぎて」
「寝ろ!」