ぬくもりプライスレス04
懲りずにひたすらリドルを見つめていたわけなんですが、リドルが急にパタン、と本を閉じてベッドを下りた。たたた、とこれもほんとかわいらしく歩いていくと向かった先は自分の机。が、しかし、あのですね、リドルくんは黙ってその前に突っ立ってるんだけど私から見れば、その机に備え付けられてる椅子に乗るには明らかに身丈が足りないわけで。
「リドル、どうし……っ!」
お、おっふ……リドルきゃわわ!ふざけてる場合ではない(真顔)そう、私がさっき言った通りリドルの今の身丈では椅子に乗ることは不可能。でもリドルの視線からでは頑張ればできるとでも思ったのか。椅子によじ登り始めました先生!きゃわわです!てかきゃわわってなんですか?なんか流行ってるっぽいんで言ってみました!使い方あってますか先生!?
「う…かわ…リドルくん?どうしたの?」
「はねぺんを…」
「あ…う…私がとってあげるね…!」
「名前、どうかしたのか?」
「ううん、気にしないで」
君がかわいすぎて呼吸困難に陥ってるだけだからね。そして、多分さっき読んでいた本のメモか何かとっているんだろうけど私としてはその内容よりも羽ペンが手に馴染まず、インクが濃くでちゃったり書きづらそうにしているリドルの姿が愛しすぎて変な声出ないように拳を握るのに必死でしたよ。
「終わった?」
「あぁ」
「はい」
「…なんだ?」
「降りるの危ないからだっこしてあげるね」
「は、ふざけるなそんなの必要な」
ぐっと問答無用で脇に手を入れて抱えてあげる。かっるいなぁ。5歳とかってこんなもんなの?リドルがほっそいだけなのかな。んふふ、かわい
「いった、ちょ、リドル暴れないで危ない!」
「おまえこそなにしてるんだ!ばかにしてるのか!」
「愛でてるんだよ!」
「…!?」
何言ってるのか分からないって顔してる。てゆうか暴れた拍子に何気に私の顔蹴ってるんだけどもうその可愛さに免じて許してあげることにする。あぁ、もうあれかな、蹴られてもその小さいあんよで蹴られる方がご褒美的な?
「いったいって!なんでまた脛蹴ったの!?」
「うるさい!」
ちょっとまたリドルが魔法使って暴走しても困るので私は一旦部屋戻った。クッキーがあったのを思い出したのもある。そして、戻ってみると、だ。リドルくんはどうやらおねむタイムらしい。こくりこくり、と小さい頭が揺れている。かくん、と揺らしてはまた虚ろに目をあけて文字を追おうとしているようだけどもはや本を読むというよりは睡魔と闘っているようにしか見えない。ANGEL!
そろそろ、とリドルに近づいてベッドに腰かける。
「リドル、眠いなら横になりなよ」
「ん」
おおおおおおおかわいいよおおおおおうああああこんなに無防備なリドルも見たことない!私の声に反応はしたけれど相変わらず船を漕いでいる状態だ。
「リドルー?」
「ん…」
……………っっっ!?!?!?!?
ハァ…もう私死ぬわ。もう、どうしよ。えっと解説、解説するとですね、リドルくんがですね、もう多分寝惚けてるんでしょうね。私の腕にぎゅってくっついてきてですね!そのまま体を預けて寝てしまいました!リドルくんの手から本も落ちてしまってね!床にね!おおおおもう私は混乱している!?
寝顔が まじで 天使 (NMT)
すいません。もう自分でも何を言ってるのかよく分かりません。絶対に寝れないと思うけど、この座ったままの態勢だとリドルも辛いだろうし横になろうそうしよう。眠ってしまったリドルを抱きかかえて私も一緒に横になる。あ、靴脱がしてあげなきゃ。てゆうかそういえば服とか靴も一緒に縮んでたんだな。便利。
はぁ、もう髪の気もふわふわだ。いつまでもなでなでしていたい。かわいい。興奮は収まらないけどかといってこの場から離れたくもないし、私は眠ってしまったリドルを抱きかかえて一緒にベッドに寝転がった。腕にすっぽり収まっているリドルはうたた寝ではなく本格的に眠りに入ってしまったようで寝息を立てている。抱き締めすぎないようにするのが必死です。鼻血出てないかな!大丈夫だよね!?