ぬくもりプライスレス03




パタン、とドアを閉める。私の魔法が変身術の応用だったためリドルは嫌々ながらだったけれども一緒にダンブルドア先生のところに行ってきました。小さくなったリドルを見たダンブルドア先生はそれはもう楽しそうに目をキラキラさせていて私もやった甲斐があった…って違う違うすいませんでした。恐らくリドルによるものと思われる殺気が…!で、結局のところ未完成な私の魔法では、それに対応するためのはっきりとした魔法はなくそんなことをするよりは自然に魔法が解けてしまうのを待つ方が安全だし確実である、ということだった。確かに私の魔法はこれまでにも何回か成功の兆しは見えたけど結局は元に戻ってしまっている。そう、つまり、タイムリミットは分からないけれど、リドルは当分KO NO MA MA!

「いって!」

「ふん」

「なんで今脛蹴ったの!?」

「かおがだらしなくゆるんでいたからな。ひきしめてやろうとおもったんだ、かんしゃしろ」

「………」

きっと機嫌が悪いせいだろう。いつもよりも陰湿さの抜けた嫌みという嫌みを言ってくる。なんてゆうかリドルはね、もっと陰湿なことばかり言ってくるからね。ま、そんなことを言ってもショタリドルではただの天使である。もうかわいいどうしよう甘やかす気しかしない。

「え、リドルどこ行くの?」

「へやにもどる。こんなかっこうではめだってしまうからな」

「あ、そう」

「………なんでついてくるんだ」

「なんでついていかないと思ってるの?」

なんでこの千載一遇のチャンスをみすみす逃さないといけないのか。男子が女子寮に入ることはできないけど、女子が男子寮に入ることは可能なのだ。もちろん私はリドルについて行かないわけがない。

「おまえをみてるといらいらする。きえろ」

「はいはーい。そういうこと言わないの。さっさとお部屋行きましょうねー」

「わっ、ちょ、やめろ!」

ぐいぐいと背中を押してそのままリドルの部屋に向かう。慌てちゃって、しかも私に押されてるのが気に食わないのかむきになってるリドルまじかわいい。さっきから本当に私はなんて語彙力がないんだ。部屋に入ってしまうと逃げるようにリドルはさっさと自分のベッドに腰かけた。足が、浮いている。かわいい…。

「こっちみるなへんたい」

「その台詞がもはやおいしい」

「きもちわるい!」

ぶわ、と枕が私の顔面にあたる。それでも勢いがないせいで全然痛くない。さっきのもあって魔法を使うのはやめたようだ。ちなみに、さっき私が元に戻す方法が分からないと暴露したとき、何も起こっていないように思えたけども、実際ダンブルドア先生のところへ行く途中、私は聞いてしまったのだ。「湖が突然爆発したらしいぞ!近くにいたやつらが見たって!急に水面が盛り上がって噴水みたいになったって!」という声を。確証はないけど、多分リドルだろう。自分でもそうだと思ったらしく、その時のリドルの口が開いていた。なんかもう行動までいちいち幼くなってて死ぬほどかわいいです。私もう死ぬかもしれない。

投げられた枕を抱えて私もベッドに腰かける。一睨みされたけど気にしない。リドルは事が起こる前に読んでいた本の続きを読んでいる。私はすることもなく、というかこのかわいいリドルを眼球に焼きつけておきたいのでリドルをガン見しているわけで。「きがちる」とか言われたけどそれも無視してやった。