ぬくもりプライスレス02
なぜ暖炉が爆発したのか。私は一向に暖炉をガン見していたわけだけど、ふと隣の反応が一切ないことに気づく。
チラ、と私の視線のはるか下にいるリドルを見る。固まっている。てゆうか思いっきり、しまった、という顔をしている。リドルはこんなに分かりやすい奴だったろうか。これもショタ化のせいか。もうずっとこのままでいてくれ。
「まさか、今のリドル?」
「………ちがう、とはいえない」
「てゆうか何しようとしたの?」
「まきをいっぽん、きみのほおすれすれで、とばしてやろうかと」
「誤差どころじゃねぇ!」
その発想もどうかと思うがリドルはリドルだ。もうそれはおいておこう。問題はその魔法だ。そもそも標的っていうか動かそうとしたの薪じゃんね!薪どころか暖炉爆発してるけど。これは、もはや魔法まともに使えないんじゃ。てゆうか使わせるべきじゃないよね。命の危機!
「リドル、魔法禁止ね」
「は…?」
「危ないでしょーが!普通に考えて!」
「すこしちからかげんをあやまっただけだ。つぎはこんなふうには」
「じゃああの本、私の手元まで移動させてみて。あ、ゆっくりね」
いつものリドルは嫌がらせの如く私の顔面めがけて飛ばしたりするから、一応牽制しておく。さて、リドルと本を交互に見ることにしよう。リドルが杖を振る。本が少し動いた。それは真っ直ぐこちらへ……こちらへ、来ない。え、てゆうか、ちょ、
「ストップ!ストップ!リドル!」
「………」
「私のところどころかめり込んでるよ!地下だから良かったものの、下手したら下の階の人の頭上に落下とかだよ!」
ぶすっと黙りこんでしまった。明らかに不服そうだ。だがしかし。その表情のなんとかわいいものか。リドルってこんな天使だったっけ?やばいかわいい。いや、ほんとショタはかわいいだろうなと思っていたがここまでとは。気が付いたら頭をなでなでしてたんだけれども、べしっと手を振り払われた。かわいい。
「はやくもとにもどせ」
「え?」
「もとにもどせ!」
バキィッ!
「うわああああああリドル!やめ、やめなさい!」
リドルの声と共に向かいにあったソファが真っ二つになる。おいほんとに、激情型にもほどがあるだろ。思考まで少し幼くなってしまってるのだろうか。いや別においしいですけど。かわいいですけど。ただ命の危険だけはちょっといただけませんよね。
「あの、リドルくん」
「……」
「お察しの通り、私のせいなんだけどさ」
「……」
「(睨んでるのかわいい)…あの、これまだ研究途中でね」
「……」
「(こめかみピクってした!)…元に戻せと言われても分かんないんだよね!」
ここで私はすかさずファイティングポーズである。さっきのであれだ。元に戻れないと分かればどんな攻撃がきてもおかしくない。そう思っていたのだけれど当のリドルは至って落ち着いているし何も起こらない。
「リドル…?」
「………ダンブルドアのところへいく」
「あ、はい。すいません」
ショタにあるまじき殺気。末恐ろしい子。