ぬくもりプライスレス01


リドルが小さくなった。

いや、違う。少し語弊がある。幼くなった。

私は自分がショタコンであるという自覚はしており、まぁでもそれも二次元に限るなんだけどね、なんて自嘲も踏まえながら日々ショタっこに思いを馳せつついつしか私自らの手でショタハーレムを築き上げたいだなんてぶっとんだ野望を抱いていたわけです。そう、自分でも分かっていたんですよ。二次元に限る、なんていいながらショタハーレムを夢見てるあたり。いや、だって実際子どもってなかなかにうるさいからね。二次元に限るわけですよ。ただ、それは、私自らの所業により覆されることになったのである。語末っていうか口調が一定しませんね。いや、もうそんなことはどうでもいいのだ。

「リド…ル?」

「…これ、は…どういうことだ?」

私のはるか下にある目線。目線どころか私の視界にはリドルのつむじが見えてしまっているわけで。声だっていつも聞いているあのテノールではない。

「え、ちょ、」

「おい、名前、これは…」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおお成功したああああああああああああああああああああああ」

「!?」

はああああ私はですね!常日頃から皆をショタ化できないかと本当に本当に心から熱望していたわけですよ。1番のターゲットはやっぱりこのリドルだよね。まぁ、今でも十分イケメンだけれどもショタの頃はどれほどかわいかったのだろうと妄想も膨らむ膨らむ。それが!今!眼の前に!

と、ちょっと落ち着け。そう、私は変身術の応用でショタ化、つまり容姿を幼少期に戻してしまう魔法を研究していたわけなんですよ。そしていろいろと実験をしつつ、失敗しちゃったりして数名、医務室送りにした生徒もいたけれどもほとんどは危害なく終わっていたのです。だから今回もたまたま近くにリドルがいたので思いきってやってみたところ、まさかの成功。5歳前後くらいに縮んでいるみたいだ。目の前には自分に起こったことを確認しようと、自分の体をぺたぺた触ったりしているリドル(ショタ)がいる。めちゃくちゃかわいい。

「名前、おまえなにをした?」

「え、いや、何も」

「へたなうそをつくんじゃない!かおがゆるみまくってるぞ」

「んふふ、リドルがあまりにも可愛いもんだから」

「ばかが」

どれだけ罵倒しようにも、どれだけ口調を強めようとも、その口から発せられるのはどうにも舌ったらずなものばかりで。それに見合わない口調がなんともかわいらしい。加えてリドル(ショタ)が私のことを睨みつけているようなんだけども、ただの上目遣いにしか見えない。かわいい。何この生き物。

「まったく、どうせへんしんじゅちゅ…じゅつのいっしゅだろう」

聞きましたか!?もう、かわいすぎる。じゅちゅって…

「じゅちゅ…」

「うるさい!」

思わず口から出てしまった言葉にリドル(ショタ)が反発を見える、と同時に私の背後で凄まじい爆発音がした。

「え」

「は?」

振り返れば、黒焦げになって煙を上げている暖炉の姿が。おい、なんだ何があった。侵入者か!?煙突飛行ネットワークでも使おうとしたとか!?ホグワーツじゃ使えないはずじゃ……