今日は、学校で一泊二日のオリエンテーション合宿なるものに来ている。学校の意向としては、最初のうちにクラスや学年の親交を深めてよりよい学校生活を送れるように、ということらしい。私はというと、昼ご飯を赤司ととる羽目になってしまっているが、少しずつクラスの子たちとも話すようになっているし、予定とは違ったものの順調といえば順調だ。そして泊りがけ、となると部屋は当然女子だけ。快く同じ部屋に入れてくれた子は、皆優しくてとても安心していたりする。
「みょうじさんって赤司くんと付き合ってるの?」
「へ?」
「あー、私も思ってた!」
「同じ中学だったんでしょ?」
赤司が女の子と話しているところはほとんど見たことないけど、どうしてこうも情報が出回っているのか。イケメンの性ってやつか。
しかし、付き合っているなんて恐ろしい勘違いをそのままにしておく、なんてことをするわけがない。もしかしたらあのイケメンにお前は不釣り合いだなんてそういう人まで出てきそうだ。
「私は、むしろ皆と仲良く、したくて。その、人見知りだから、まだ不安で……。お昼もほんとは皆と食べたりとかしたいんだけど……」
皆最初こそちゃかすような雰囲気だったけど、黙ってきいてくれた。そうだったんだ、と相槌を入れてくれる子もいる。たがしかし
「でもさ、とてもじゃないけどみょうじさんに近寄れないんだよね」
…………?
「わかる!オーラだね!」
…………?
「あれ、気づいてないの?」
「え、どういう……」
「赤司くんがね、なんか近寄るなって訴えてくるんだよね」
と、口々に頷く。
「前、ちょうど昼にみょうじさんも一緒にどうかなって思ったんだけど、赤司くんと目が合ってね……」
あぁ、………確かにあいつの眼力はやばい。殺されそうだよね。
「そう、だったんだ」
「そー、だから付き合ってるのかなって思ったんだけど」
話が振り出しに戻ってしまったのでもう1度否定しておいた。
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