どうにかこうにか、買い物が終了しました。頼まれてたウエイトも確認してみれば思ったより軽量の補充だったようでこれだったら頑張れば1人でいけたかもしれない、と思った。

「いやぁ、キャプテンありがとうございます」

「反省してないだろ」

「してますよ!」

はぁ、とまた1つ溜息をつくキャプテン。買出しの途中も思ったけどどうやらキャプテンはいつも以上にお疲れのようだ。なんかいつも以上に口数少ないし眉間に皺が寄りっぱなしなのだ。機嫌が悪い、というよりは接する態度からいっても疲れている、という感じ。そんなキャプテンに買出し付き合わせるなんて…!場を和ませよう。そう思って叩いた軽口がそもそも間違いだった。

「キャプテン、溜息なんかつくと幸せ逃げるんですよー!」

「誰のせいだ」

「いやでもあのノートすごくないですか?」

「…確かにすごいけどな、」

「ですよね!」

「毎回言ってるだろ!ちゃんと仕事終えてからしろよ!」

「う…」

「俺だって練習の後なんだぞ?今日はウエイトあったから仕方ないにしても普段から他のことしてばっかりじゃないか!」

「ごめ、んなさ…」

「あ…」

まずい、って顔をしてキャプテンは黙ってしまった。でも私はそれ以上にまずいって顔を、いやむしろ顔を青くしていると思う。そうだよ、ほんと、誰よりも近くで練習してる姿見てるっていうのに。走りこみとかするときなんてそれこそ倒れそうになるまでやってたりするのに。

馬鹿だ、私。

「すいません、明日からもっとちゃんと仕事します。あとは買ったものの整理と経費の記入だけなので1人で大丈夫です。ありがとうございます」

精一杯笑っていってみた。

だってキャプテンの言っていることは正論だったから。言われてしょげるわけにはいかない。キャプテンが持っていたウエイトの箱を奪うように受け取ってからできるだけ早歩きでグラウンドへ向かう。

もう、ほんと馬鹿だ、私。



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