▼ 03
今日は午後から授業がないので、天気もいいし湖のほとりにきていた。どっちかと言うとインドア派だけど、まるで太陽を見ることの無い冬を越え、せっかく温かな日差しがさしているというのに、あの地下寮で過ごす気分にならない時だってある。サンドイッチやら、携帯しやすそうなものを大広間から頂戴してランチボックスにつめこんでのんびりゆったりな午後だ。あまりにも優雅。最高。
「1個貰うな」
「えっ」
どこから来たのか、まるで気配がしなかったのにいつの間にか後ろにはレギュラスがいて、サンドイッチをかすめ取られた。
「なに、珍しいね。こんなとこで出くわすなんて」
「出くわしたんじゃない、探して来たんだ。これ、レポート再提出」
「えっ!?なんで!?」
「課題の、ドラゴンの生息地にに関する部分がごっそり抜けてるってさ」
「えっ、授業でやったドラゴンの特徴まとめればいいんじゃなかった?」
「生息地に触れろって指示あった」
「まーじかーー」
せっかくの優雅な午後が返上になることが決まってしまいとても悲しい。項垂れていると、どさりとレギュラスが隣に寝転がった。
「お眠ですかい?」
「昨日、ケビンたちとボードゲームしてたら遅くなったんだ」
「ふぅん」
たしかに本当に眠そうにしていて完全に寝る体勢になってる。
「でもここだと日差しが強いんじゃない?レギュラス坊ちゃん肌が白いから真っ赤になってしまいますわよ」
「うるさい」
そのあと私の忠告を無視したレギュラスの顔が真っ赤だったのはいうまでもない。