バーカバーカ



ピピピピピピ…………

ピピピピピピ…………

うるさいうるさいうるさい!!!これは私の携帯の音でもましてや目覚ましの音でもない。てゆうか私の部屋から発せられる音ではない。隣!隣なのだ!ミスタこの野郎!そして、このアジトの部屋の壁が極端に薄いというわけでもない。まぁ防音とまではいかないけど。普通。ではなんでこんなに隣の部屋の音が聞こえるかって、いつだったかに朝弱くて起きれないってミスタが言っているのを聞いたブチャラティが、どこからともなく「絶対起きれる目覚まし」とかなんとか商品名は忘れたけどとにかくけたたましい音がする目覚ましをミスタに買い与えたのだ。善意100%。おばあちゃんかよって思った。

まぁ結局この様ですよ。たしかにけたたましい音が鳴ってるのはわかるんだけど、当のミスタが起きていない。この朝の5時から何回スヌーズ設定つけてんだよ!こちとら今日は昼まで寝てるつもりだったんだぞ!!!くそ、イライラしてきた。ねるどころではない。ちなみにまだ鳴ってる。せめて止めろ!!!爆睡じゃねぇか!!!

バンッ

「ミスタ!仕事なんでしょ!起きろ!」

結局部屋に突撃。遠慮なくドアをぶち開けても身動き1つしないことに怒りのボルテージがまた1つあがる。こっちだってそんくらいすやすやしたいわボケナス!

「ミスタ!起きろ!……てゆうか私が起こす必要もなくない!?この目覚まし全部オフにしてやるからね!グッナイ!ジョルノに怒られてしまえ!」

ベットサイドで未だに近所迷惑なけたたましい音を発している目覚ましに手を伸ばす。ブチャラティには申し訳ないが金輪際この目覚まし使って欲しくない。

「わっ」

目覚まししか見ていなかったせいでミスタが動くのに気づかなかった。てゆうか起きてんなら返事くらいしろや!気がつけばされるがままベットに引きずり込まれていた。

「な、ねぇ!ミスタ起きてんの!?」

「…………起きてない」

「馬鹿、ふざけんな!さっさと起きろ!」

「あ〜、頼むあと15分寝かして」

「いや、結構寝る気じゃん」

もちろん私はなんとかベットから脱出しようともがきながら喋っているわけだが、ミスタが後ろから腕を回してがっちりホールドしているせいで抜け出せない。さっきまで寝てたとか嘘でしょ?くそ、私だって早くもう一度寝たいのに!

「だーーーーってよォ、昨日帰ったの日付跨いでたんだぜ?そんでまた6時出発ってなくねぇか?」

「それは君の上司にいいなさいよ」

しれっと言い放つも、気にしていないのかミスタは抱きしめる腕に力を込めたかと思うと急に私の耳に口を寄せてきた。

「な、頼むよ」

寝起きの、少しハスキーな声。いつも騒いでるような声じゃなくてドキッとする。ってゆうか、

「ミスタ、それわざとやってるでしょ」

「名前ちゃんは、俺の声好きだもんなぁ?」

「…………ぐっ!…………………10分ね。10分経ったら起こすからね」

「グラッツェ」

またいつもと違う低くて優しい声。そのあとにちゅっとかわいらしいリップ音をさせて耳にキスを落とした。

あーーーーーーーーーもーーーーーーーーーーー、我ながらチョロすぎ











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ミスタの声が好きなのは私だ