「あ、レギュ何食べてんの?」
今日も1日ようやく授業を終えてと意気揚々と寮に戻ると談話室にはレギュラスがいた。(なんでも同室の奴がいくら言ってもも部屋の整理をしなくて雑然としてる状態だから談話室にいるんだとか)(グッジョブ同室の君!)
「ルシウス先輩が無理矢理押し付けてきたのでしょうがないから頂きました」
「いーなーっ!」
レギュラスの手にはミルク味かと思われる棒アイス。ちょっと似合わないからびっくりしたけど。ルシウス先輩も何でアイスなんか……まぁあの人おかしいからね!
とりあえず教科書たちを部屋に置いてからレギュラスと絡もうかな、と寮に向かおうとしました。しましたよ、うん。
「………っ!?」
「(もぐもぐ)…何ですか?」
「ちょ、もっかい!もっかいアイス食べて!」
「……嫌です」
「なんでよ!」
「なまえ先輩がテンション上がってる時ってろくなことないですから」
あながち嘘ではないけども。これでもかと言うくらい冷たい視線を投げ掛けてくるレギュラス。いつからそんな察知能力を手に入れたんだか!
「じゃあ、それどうすんの?」
「………」
そう言うと少しアイスを見つめてから仕方ない、というように渋々食べる。……あっはっは!
「んふ、レギュラスはアイス舐める派なのね」
「……?」
アイス食べてるからいつもの「は?」がない。てゆうかアイスくわえたままこっち見るレギュラス……
「エロイ」
私の呟きがしっかり聞こえたらしく思いっきり眉間に皺を寄せた。
「私BL受け付ける人間じゃないんだけどなんかいいね。エロさが!」
にやにやしながらそう言うとレギュラスは慌ててアイスを食べるのをやめて私を睨み付ける。恥ずかしいのか怒ってるからかは分かんないけど顔が赤いのがなんともかわいいです!
「もう食べません」
「だから、残りのアイスどうすんの?そのまま溶けて腕にアイスが……それをレギュラスが舐めたらすごくい…んぐっ!?」
「黙れ変態が」
最後までいい終える前にさっきまでレギュラスの手にあったアイスが私の口に突っ込まれる。てゆうかあんまり勢いよく突っ込むからちょっと喉の奥までいきました。すごい苦しい。でも、
「えへへ、レギュラスと間接キ…ん"っ」
ちょぉぉぉっ、苦し……それ以上突っ込むとね、喉なんだよ!分かってんのかなこの子。喉圧迫されるとこんなに苦しいの知ってんのかな!?
「ちょ、口の周り汚いですよ」
「…ぐっ、げほ、ごほ……レギュラスのせいでしょうが!」
真面目に口べたべたするよ。気持ち悪いよ。それなのにレギュラスはなんかこう、残念な目で私を見る。
「もとはといえばレギュラスが思いっきり突っ込むから!」「なまえ、君にもアイスを……」
「「「……………」」」
「あ、邪魔をしたようだな」
「ちょ、ルシウス先輩、」
「あぁレギュラス、安心したまえ。誰にも言わないから。まさかこんなところで、あぁ、いいんだ。それじゃ」
「ルシウス先輩っ!」
パタン、と虚しくドアが閉まる。どうにも気持ち悪くにやついたルシウス先輩の顔が頭から離れない。ほんと気持ち悪い。
「レギュラス、」
「…………」
「すごい勘違いされたね☆」
「死にたい」
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Love like a shadow flies when substance love pursues,
Pursuing that that flies, and flying what pursues.
(The Merry Wives of Windsor / William Shakespeare)