君のいぬ間に
「セブルス先輩」

「なんだ?」

「なまえ先輩、何かありました?」

「何か…?別に知らんがどうかしたのか?」

「いえ、ただ最近いつもよりテンションが落ち着いていたので違和感があっただけです」


そういえば、とレギュラスの言葉に、少し前のなまえを思い出す。何も考えずにレギュラスにちょっかいを出しているように見えたが、どうやらそうではないらしい。いや、実際今まで何も考えずにやっていたんだろうが。もしかすると原因はそれだろうか。そこまで考えて、どさっという鈍い音が耳に入った。見れば積み上げられた分厚い本の山。

「……またずいぶん借りたな」

「確かに少し借りすぎましたね」

「ここで読むのか?」

「はい。なまえ先輩は図書館でレポートするそうなんで、当分来ないと思いますし」

「そう、か」

静かに読みたいですから、などと毒づきながら杖を一降りして紅茶を準備するレギュラス。何も言わずにティーカップを2つ用意してくれるできた後輩である。どうもレギュラスは気持ちが汲み取りづらいな、と今図書館でレポートと格闘しているであろう某女子生徒を思いながら、レギュラスに気づかれないように苦笑する。


もしかしたら自分しか気づいていないかもしれない。もともと2つずつしか持ってなかったレギュラス自前のカップ&ソーサーが、いつからかもう1セット増えていることを知っているのは。


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Love like a shadow flies when substance love pursues,
Pursuing that that flies, and flying what pursues.
(The Merry Wives of Windsor / William Shakespeare)