「ねぇ、セブルス。レギュラスは?」
「知らん」
「そんなこと言って、実は知ってるんでしょ」
「なぜ僕がいちいちそんな嘘をつかなくちゃいけないんだ。知らないものは知らない!」
せっかくの暇な時間をレギュラスとイチャイチャしようと思ったのに寮にはいない。となれば図書館か、と思ってさっき見てきたけど結局いなかった。いつもなら寮か図書館のどっちにいるのに。しょうがないからセブルスの勉強を邪魔しながらレギュラスを待つことにした。
そして、待つこと1時間くらい。
「あ、レギュラ……」
「わざわざありがとうございました」
「いいのよ。レギュラスは本当に勉強熱心なのね」
「勉強というより、この分野には興味があるので」
レギュラスが帰ってきた。ただその横にはスリザリンの………名前なんだっけ。確かイなんとかだった気がする。忘れたけどその人とレギュラスがうふふあははと楽しくお喋りしながら帰ってきたのだ。え、ちょ、状況把握不能です。
「セブルス君はどう考えますかな?」
「は?」
セブルスは私以上に状況把握ができてないらしい。このおたんこなすめ!茄子うまくね?私茄子漬け大好きなのになんで罵倒に茄子が……ってそんなことは今はいいんだよ。問題はあの無愛想なレギュラスが女の子と一緒にいたということであって、しかも現在進行形で目の前で楽しくお喋りしてくれちゃったりして、そして重要なのがレギュラスが優しい!何あれ、レギュラスが私に向かって微笑んでくれたことなんてあっただろうか。両手で足りる気がする。あれ、片手?
「意味わかんない!」
「僕はさっきからお前が何を言っているのか分からないが」
じゃあ、ありがとうと言ってイなんとかは部屋へと戻って行った。そしてあろうことかレギュラスもそのまま部屋へ戻ろうとする。
「ちょ、レギュたん!」
がしっと私がレギュラスの足にしがみつくのとべしんと勢いよくレギュラスが私の頭を叩くのはほぼ同時だったと思う。
「その呼び方やめてください」
あぁ、美しきいつものポーカーフェース…って違うよ!さっきまでのレギュラスは?すごい柔和な雰囲気醸し出してたじゃん!
「今まで何してたの?」
「彼女に本を貸してもらってただけですよ」
「ふーん。なんか、仲良さそうだったねー」
「そうですか?別に普通です」
普通、だと?私にはあんな態度とったことないくせに!まぁ、それは愛情の裏返しと解釈することにしてたっぷり待った分、レギュに構ってもらお……
「じゃあ僕、部屋に戻ります」
「え、なんで?」
「早速この本読みたいので」
「ちょ、レギュ……」
私が止める間もなくレギュラスはさっさと部屋に引っ込んでしまった。
「……セブルス君はどう考えますかな?」
「はっ」
鼻で笑うことないじゃないか、セブルスのおたんこなす!
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Love like a shadow flies when substance love pursues,
Pursuing that that flies, and flying what pursues.
(The Merry Wives of Windsor / William Shakespeare)