あ、れ………私どうしたんだ?ふかふかのベッド気持ちいい。まだ頭ぼーっとするし寝てていいかなぁ。何時だろう。ん?……私、クディッチ見てたよね?普段何事にも無頓着そうに見えるから一生懸命にスニッチを探す熱い視線がやばい、私もそんなふいに見つめられたい、そうだスニッチなろう、とか考えてた気がする。え、違う?いやいや、そんなことはどうでもよくて……
「結果は!?」
「!」
がばりと体を起こすとなんだか重たい。うそ、太った?てゆうかさ、
「なんでセブルス?空気読もうよ。ここはレギュラスでしょ。スニベルスって呼ぶよ」
「僕が好きでお前を看てるとでも思ってるなら、お前の脳みそは蛆が涌いてるな」
「ちょ、蛆って……さすがに傷つきました」
まぁ、なんだ。ふかふかのベッドはホグワーツが気をきかせてベッドを新調したのではなく、体が重いのは太ったからでもなく、風邪ひいたんですね。そして倒れたと。うわぁ、倒れるとかまじキャラじゃないよ。恥ずかしいな。
「え、もしかしてセブルスが運んだの?」
「レギュラスだ」
「ですよねー。完全草食系なセブルスが人を運ぶなんてむ、り………レギュラス?」
パッと顔をあげるとセブルスはそりゃもう不機嫌丸出しの顔をしていた。しかもその口ぶりはあんまり言いたくなさそう。
「…あぁ、レギュラスが試合中にタイムを取ってここまで運んだ」
つまり、それを告げてしまうと私が喜ぶのが目に見えてるから言いたくなかったわけだねセブルス君!
「まじで!?それってもしかしてもしかすると、お姫様だっこ……「あぁ」ひゃっほーいっ、覚えてない自分が憎い!だってレギュラスの胸元がすぐ近くにあったんでしょ!?黙ってれば完全インテリなレギュラスが汗とかかいて…いったぁ!」
「気持ち悪いです。もう少し病人らしく静かにできないんですか?」
頭叩かれた……もちろんいつも通り容赦ない。完全に気配がなかったもんだから油断しまくりだったわけでなかなかダメージが大きい!レギュラスこそもうちょっと病人扱いしてよね!と反論したいところだけど、どうにも上がったテンションがおさまらなくてにやにやしてしまう。
「そういや、試合は!?」
「もちろん勝ちましたよ」
「うわぁぁぁ、流し目やばいもうこれいつ鼻血出てもおかしくないよ!(だよね!レギュラスがシーカーで負けるはずないよね!)」
「先輩、恐らく逆です」
「レギュラス、勝手に試合を中断して大丈夫だったのか?」
「大丈夫ではないですね。練習3倍だと言われました」
「あんなやつ放っておいてもなんとかなっただろう」
「そう、ですよね……」
(咄嗟に体が動いたんだからしょうがないじゃないか)
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Love like a shadow flies when substance love pursues,
Pursuing that that flies, and flying what pursues.
(The Merry Wives of Windsor / William Shakespeare)