夏風邪は馬鹿がひく2

態度は普段と変わらない。それにしては顔が赤くて足元がふらついているように見えた。

セブルス先輩が夏風邪だと言っていたけど、やっぱりテンションとか言動が普通過ぎてそう気にも留めていなかった。


はずなのに、


スニッチが見つからない。追い掛けるのはおろか視界にはいりもしない。目をこらしてみてもスニッチがあるべき空間を通り越して観衆に目が行く始末。アナウンスと歓声に紛れて舌打ちすれば、なまえ先輩が目に留まった。さっきより顔が紅い。


ピ−−−−−−ッ!


けたたましいホイッスルと一斉に沸き上がる歓声。

どうやら点が入ったらしい。まずいな、全然試合に集中できてな……


「なまえ先輩!」


倒れる彼女が視界に入った瞬間、無意識にタイムを要求していた。





(レギュラス、何もこんな時に!)
(すみませんキャプテン、すぐ戻ります!)
(あ、おい!)


なまえを抱え、レギュラスは一気に城へと飛んで行った。







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タイムってあるんてすかね(おい)


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Love like a shadow flies when substance love pursues,
Pursuing that that flies, and flying what pursues.
(The Merry Wives of Windsor / William Shakespeare)