桃色ハレンチ | ナノ


 


夜中にいつもの
着信音が鳴り響いた。


私はピカピカ光る
携帯の光に顔を歪めた。


「だれ…?まだ三時だし…」


私は、少しだけ誰か
予想がついていた。
そして、サブディスプレイに
表示される彼の名前を見て
やっぱり…とため息をついた。


「もしもし」


「遅い。俺が電話したら
ワンコールで出てって
言ったじゃん」


電話に出ると、いつもの彼の声。



「だって今、夜中の三時だよ」


「だから、何?」


私は大きなため息をついて、
綱吉に訊ねた。


「何か用?」


「うん。今から
ちょっと出てきてよ」


「はぁ?」


綱吉は冗談みたいに言った。
だけど、冗談ではないらしい。


「今から五分後に並盛中学校ね」


綱吉はさらりと言って
電話を切った。


なんて、一方的で
強引なんだろう、
そう思いながらも、私は
出掛ける準備をした。



「意外に早いんだね」


私が並盛中学校に着くと
誰もいなくて少し遅れて
綱吉がやって来た。



「五分後って言ったのは誰よ?」


綱吉は私の言葉は
無視して私の手をとった。


繋がれている手に
やっぱり私たちは
恋人同士なんだと感じて
私は少し、笑みをこぼした。



綱吉は黙ったまま
私を屋上に連れてきた。


「屋上なんかに来て、
愛の告白でもするの?」



私は冗談を言って綱吉に
笑いかけた。



すると綱吉は
いきなり私にキスをした。


私はいきなりのことで
思考回路が爆発しそうだった。

恥ずかしい気持ちと
嬉しい気持ちが私の心に
渦巻いていた。



綱吉のキスは
とろけるぐらい甘くて、
それでいて、優しい。



それから綱吉と私は
何度もキスをした。



途中、綱吉は笑って
椎もキス、
上手くなったね」と
いたずらな顔で言った。



しばらくすると、
さっきまで暗かった空が
明るくなっていた。



朝日が少しずつ
さしこんできて、
私と綱吉を照らした。



「綱吉のせいで、朝帰りだよ」



私は笑って綱吉を見た。
すると、綱吉は笑って
「綱吉のおかげ、だろ?」と
言った。



その時、綱吉が
一回だけ、まばたきをした。



その一回のまばたきだけで、
私の愛が溢れだした気がした。


そのまばたきは罠
(君のまばたきは)
(私のどんな感情も)
(「ときめき」に変えてしまう)


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