急に離れた温もりにあたしは覚醒した。
「……ん、政宗?」
睦事の後の気だるさを無視して身体を動かして政宗を探す。
「……sorry。起こしたか?」
「ううん、大丈夫。うとうとしてただけだから」
そう言うと政宗が優しく笑った。
ああ、この笑顔があたしは大好きだ。
普段はしかめっ面やガンを飛ばしてはがりだけど、政宗はあたしには優しく笑ってくれる。
離れないで、と裸のまま政宗の腕にしがみつく。
ようやく感じられた政宗の温もりに胸が温かくなった。
ふとした時に不安になる。
政宗は方目を失ったのと同時に色んなモノを失ったから凄く荒んでいた。
あたしに出会ってあたしと付き合うまでは女遊びだって激しかった。
だからたまに、政宗がどこかに行っちゃうんじゃないかって凄く不安になる。
あたしの知らないとこで、あたしの知らない女を抱いているんじゃないかって考えたりして。
ぐちゃぐちゃでどろどろの嫉妬に駈られる。
「大丈夫だ。俺は離れたりしねえ」
政宗はそれが解っているかの様にあたしを強く抱き締める。
あたしもそれに応えるようにしがみついた。
政宗の背中にはあたしの爪痕。
あたしだけがつけられる、政宗はあたしのものだっていう印。
あたしの身体にも政宗のものだと示す花が咲いている。
「政宗、愛してるよ」
「俺もだ。I love you」
それを合図にあたしたちは今さっき確かめ合ったばかりの愛を確かめる為にもう一度唇を重ねる。
深くて甘い、政宗のそれにあたしの意識にはもう政宗しか居ない。
ああ、すんごく幸せ。
そして吐息が 交じって溶ける (本当に本当に大好きだから) (どこにも行かないでね、政宗) (あたしは声にならない叫びで政宗に叫ぶ)
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