( 1/3 ) 私の想い人。 その人は目は合っていてもどこか遠くを見ている人で。 いつもはまるでだめな男(マダオ)。けどいざという時に自分の武士道とやらを貫く姿を見せる。 私の前だといつもジャンプを読んでいて会話をしない貴方。 あなたの行動ひとつひとつで私の心臓は跳ねたり止まったり焦ったり。 まるで操られてるみたい。 ―――――――……… 「こんにちわあ。」 ガラッ 私は万事屋の扉をいつものごとく開ける。 「凛華ー!!」 「あ、神楽。やほ。」 「凛華さん今日も来て下さったんですか。」 「うん、新八くん。」 神楽、新八くんの順番に私を玄関まで迎えに来てくれた。 そして、 「また来たのか、お前ェ。」 「……銀ちゃん。」 私の好きな人、坂田銀時もだるそうに玄関まで来た。 「凛華さんごめんなさい。僕買い物行かないと……。」 「そうだったの?」 「凛華、私もネ。今日よっちゃんと歌舞伎町最強トーナメント戦やらなきゃいけないヨ。」 「え?大丈夫なの?」 「そんなに私の心配してくれるアルカ……っ!」 「よっちゃんのことに決まってるでしょうが。まあ、程々にね。」 私はふたりを見送った。ふたりは元気よく「いってきます!」と言い玄関を出ていった。 さて、 「……じゃあ私も帰るね。」 銀ちゃんとふたりきりになるなんて堪えられない。今までの会話だって絶対誰かが入って会話していた。ふたりきりで、なんてない。 だから気まずいのだ。 「え?帰んの?」 銀ちゃんが驚いたように私を見た。 「う、うん。だって新八くんも神楽もいないし。」 「銀さんがいるじゃん。」 「や、あの、でも。」 「……銀さんがいるじゃん。」 「でも銀ちゃん、ジャンプ読むでしょ?私邪魔になるし、ね?」 そういうと銀ちゃんは少しムスッとした顔で。 「じゃあ今日は読まない。」 と言った。心なしか少し怒っているように見える。いや、怒ってる。 原因がわからない私。 「え、なんで、」 「凛華ちゃんはさ、」 私の言葉を遮り肩を掴む。急だったので跳ね上がった。 「俺といたくないわけ?」 ……んなわけないじゃないですか。 |