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私たちが住むここ日本では秋風というものは通り過ぎ、本格的な寒風が来ようとしていた今日この頃。


義務教育は既に終わっているが仕方なく学校に来ている私、凛華。


そんな私のいつもの溜まり場はここ、学校の屋上だった。


ここは既に使われていない校舎の屋上で前まで鍵がついていたがそれが壊れていたので、まあ、ラッキーということで勝手に私の溜まり場として使わせてもらっている。


サボリ魔の私は先生たちにとってちょっと問題児らしい。


この前銀ちゃんに直で言われた。つかその問題児に「お前は問題児だ」って先生が伝える?


隠されるよりかマシだけど。


そして今現在も銀ちゃんの授業をサボリ、私の溜まり場にいる。


「.....晴れてるし。」


今日は晴天。雲一つない素晴らしい青空だった。


なんだか憎たらしくなり体を起こした。


それと同時に、


ガチャッ


「え?」


決して開くことのない屋上の扉が空いた。私は急いで隠れる。


先生とかだったらどうしよう、ここ閉め出されるかな....。


そう不安になりながら扉の向こうの相手を確認する。


「....あれ?風紀委員じゃん。」


そこには私と同じクラスの風紀委員のナンバー2、土方十四郎がいた。


彼は周りを少し見渡すと、手をポケットに入れる。そして何かを取り出した。


「あ、」


タバコじゃん、あいつ意外にいけない子じゃん。


土方はタバコに火をつけ、そして口に含む。彼が出した煙は青空へと消えていった。


なんかそれがすごく絵になっていて、すごく不覚にもカッコよくて、つい見とれていた。


ぶわあッ


急に強い風が吹く。


「きゃっ!」


髪が私の顔を覆い、視界を遮る。私は座り込んだ。


強い風がやみ、立ち上がろうと上を向いた。


「......。」


「......。」


「こ、こんにちは。」


そこには瞳孔開き具合がいつも以上な土方君がいた。


「見たか?」


「なにを?」


あえてとぼけてみる。


ここで本当のことを言ったらなんか殺られそうだったから。


「......嘘つくの下手だな。」


「え、」


「目ェ、泳いでる。」


クククッ、と彼は面白可笑しく笑った。気づかなかったな。


「まさか問題児が授業中こんなとこにいるとはな。」


「まさか風紀委員とあろう人がこんなとこでタバコ吸うなんてね。」


ニヤ、お互い顔を見合わせる。


彼は吸い終わったのか吸殻を地面に擦りつけ、去ろうとした。


屋上の扉の前まで行き、こちらを振り返る。


「俺とお前の秘密、な。」


意味深な笑顔を向けた後、彼は扉の奥へと消えていった。







屋上のblue day







今まで何気なく過ごしてきた私の溜まり場の屋上。

それは今日、この出来事によって私と彼の秘密を共存する場となった。

それを不思議と私は嫌がらなかった。




お題:紅音様


 
→あとがき


 
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