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私たち5人はいつも一緒だった。


物心ついた時にはもう既に傍にいた。そんな存在。


銀ちゃん、小太郎、晋くん、辰馬、凛華。


このメンバーでいることが日常で。いないことが不思議で。誰かが欠けていったら必ず何かが壊れる。そんな感じ。


「銀ちゃァァァァん!!学校遅刻するよー!!」


「やばいぞ。あと10分でSHRが始まってしまう!」


「ったく。いッつもアイツのせいで遅刻になるんだよ。」


「ハハハッ!!大丈夫じゃき!!金時はちょっと馬鹿なだけじゃ!!」


私たちは今銀ちゃんの家玄関で待っている。これも日常茶飯事。毎回のことで。


「悪ィ悪ィ。夜までモン○ン狩ってた。」


バタバタと階段を降りてくる銀ちゃん。制服もかなり乱れている。


「モン○ンだァ?んなもん捨てちまえ。」


「嫌ですぅ。あれは銀さんの唯一の楽しみなんですぅ。」


「戯れ事はいいから早く乗れ!」


「アッハッハッハ!!遅刻じゃきー!!」


「なにそれ笑い事ー!?」


小太郎の自転車には銀ちゃんと晋助、私の自転車には辰馬が乗った。


「めいり、わしが漕ぐけェ。」


「うん!!ありがとう。」


そう言って後ろに乗り、ギュッと辰馬に掴まる。


「( わあ。体ゴツいな。 )」


チャランポランで馬鹿なのに体はがっしりしていて、時々見せる真剣な顔に少しドキッとすることがある。


今もこんなに引っ付いていて実は心臓バクバク。気づかれないか心配だ。


私はこの時なんとなく気づいていた。もしかして辰馬が好きなのではないかと。


しかしまだ明確ではないので心の隅にしまう。


「キャアア!!あと1分だよー!?」


「なに!!学級員が遅刻は困る!!」


そういえば小太郎、今学期学級員になったんだっけ。


「うぉ!!」


「てめ、スピード出し過ぎだ!!」


3人乗りのペダル担当、小太郎はものすごいスピードで行ってしまった。


「た、辰馬!!私たちも急ごうよ!!」


「任しときぃ!!」


「あ、でも事故らない程度、にィ!!?」


早いよー!!振り落とされそうだよォォォ!!


「凛華!!しっかり掴まっとき!!」


「はわぁ!?」


ギュッと手を更に巻き付けさせる。もちろん余計密着するわけで…………。


「( 心臓やばいよォォォ。 )」
 
 
 
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