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銀ちゃんの後ろに乗った私。どこかへ向かっているみたいだ。ところで神楽ちゃんと新八は放っといてよかったのだろうか?


「どこへ行くの?」


「内緒。」


人差し指を唇にあて意地悪に微笑む。


……その笑顔ずるい。可愛すぎてなにも聞けないじゃない。


しばらくして着いた場所は


「海!」


今の季節にぴったしの場所だった。


すぐにスクーターを降り裸足になる。そしてまだ冷たい海水の中へと入った。


「えへへ。まだ冷たいね。」


「凛華は本当に海好きだよな。」


そう言って砂浜に腰を下ろす銀ちゃん。私も海水から上がり横に座る。


さざ波の音が心地好い。海風が頬を撫でる。


「……銀ちゃん、なにも聞かないの?」


あの顔とか態度とか見てたら銀ちゃんならすぐ気づくはずだ。それなのに聞いてこないのに疑問を持つ。


「無理して話す必要ねーよ。


ただ凛華が頑張ってるのは知ってるからな。」


そう一言、言ってくれた。その一言が嬉しくて、すごく嬉しくて頬に一筋の涙が零れる。


銀ちゃんはなにも言わず抱きしめてくれた。その暖かさが妙に安心できてまた更
に涙が零れる。


「ありがとう。ありがとう銀ちゃん。」


「辛くなったら俺んとこ来い。またこうやってやるから。


凛華が笑うまでずっと抱きしめとくからな。」


「うん。ありがとう。


大好きな銀ちゃん。」


この心臓がポカポカと暖かい感情は恋か何か。


ただひとつわかること。貴方は私の近くにいてほしい存在。いないと何かすごいものに押し潰されそう。


貴方はずるい人。


何も聞かず黙って抱きしめる。それが妙に私を安心させるの。


貴方は優しい人。


いつも頼ってばかりの私をまた助けてくれた、私の救世主。


大好きな銀ちゃん。


いつか貴方にとっても私が必要な存在になってほしいな。







「俺ァはアイツがいないと生きていけねーかもな。」


心の中で呟く銀ちゃん。もちろん凛華には聞こえず。




→あとがき
 
 
 
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