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「…………はぁ。」


バイトの帰り道、私は一人深い溜息をついていた。家までの道程を辿っていく。


『本当、君は使えない』


今日、そうやって店長に言われた。


ガラスのハートを持つ私はその一言がひどくショックだった。しかもこれがバイトを始めて初の失敗なのにこの言われようはなんだろうか。


まあ、失敗した私が一番悪いんだけどね。


上を見上げる。涙が零れないように。


空は綺麗な夕空で遠くの方では星がきらきらと輝いていた。


こんな泣きっ面で家に帰りたくないな。少し風にあたってから帰ろう。


私は寄り道をして帰ろうとした。


「凛華ちゃァん。」


後ろから声がし振り返る。


「ぎ、銀ちゃん!?」


「よっ。」


い、いま一番会いたくない人、坂田銀時。愛用の原チャリに乗っていた。


「今バイト帰りか?」


「う、うん。」


「?」


この泣きっ面は見せたくない。だってきっと通常の顔より不細工だと思うから。


気になる相手の前では最高の顔をしていたいでしょ?


「凛華。」


「なに?」


銀ちゃんが親指でスクーターの後ろを指差す。


「乗れよ。」


「え?」
 
 
 
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