( 2/3 ) キーンコーンカーンコーン 「ぜぇ、はぁ。ギ、ギリだった、な。銀時、晋助。」 小太郎はやり遂げた顔をしている。 「はぁ、はぁ。ったくよ、てめェは!」 銀ちゃんは膝に手を置き呼吸を整える。 「はっ。危なっかしい奴め。」 「あ、危なっかしい奴は、はぁはぁ、ここにも、いますぅ。」 「わしか?」 「あ、当たり前よ!何回車にぶつかりそうになったと思ってんの!!」 「でも楽しかったじゃろ?」 ニッと歯を出し笑う。 「う、うん。楽しかった………。」 この人確信犯なの?それともわかってないの?そんな笑顔向けられたらドキドキするじゃない。 「じゃあ教室入ろうか。」 もちろん私たちは同じクラス。小さい頃から一度だって離れたことはない。もはや奇跡に近い。 席に座るとちょうどチャイムがなり授業が始まった。 いつも授業中は斜め前にいる辰馬の背中を見つめている。無意識に。 辰馬は大体寝るかなんかいかがわしい本を見ているかどちらかだ。 時々後ろを向いて私に手を振る。それを笑顔で受け取る。 ねェ、辰馬。 あなたをこんなに見つめているのにどうして気づかないの? なぁ、凛華。 おいをこんなに想っているのにどうして気づかない? 辰馬。 凛華。 早く気づいてよ いつになったら貴方は気づくの? やはり言葉にせにゃいかんかのォ。 この気持ちが交差する日はそう遠くないだろう。 →あとがき |