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真夜中の学校。ワクワクするのは俺だけだろうか?


よく怪談話とかで学校が舞台の話があるがあれを聞いて怯えている人の姿を見るのが好き。


だから土方コノヤローを誘った。そしたら急いで電話切りやがった。明日マヨネーズの中身変えてやる。


そもそも何故俺が真夜中、学校にいるかというと学生のほとんどが経験しただろう「宿題を学校に忘れた」パターンだ。


別に明日の朝やればいんだけど今丁度やる気が出ているのでやっとこうかな、と思い取りに来たわけだ。


俺は開いてる窓から侵入し廊下を歩く。


カタカタ


「あ?」


僅かだが音が聞こえる。微かに聞こえる音を聞き取り辿る。


着いた場所は「理科準備室」。


定番じゃん。おばけいる定番の場所だろィ。ま、写メでも撮って土方コノヤローに見せよう。


ガラッ


扉を勢いよく開けた。


「え!?」


女の声がする。


この声を聞いた時俺の心臓が跳ねた。


忘れるはずがねー、あの声。


「凛華……?」


暗闇の中、人影がビクリと震える。


「凛華だろィ。」


目が徐々に真っ暗に慣れてきた。人影の人物像が確認できそう。


「そ、ごく、ん。」


あぁ、人物像確認しなくてもわかる。こいつは姫路野凛華だ。


「な、でここに……?」


「こっちの台詞でィ。」


ズンズンと凛華に近付く。凛華は後退りをするが壁に追いやられた。その横に手をつく。


もう、逃げられないように。


「なんで急にいなくなったんでィ。」


「………。」


「しかもいなくなったと思ったらみんな凛華のこと忘れてやがる。」


「………。」


「普通の人間、頑張っても記憶を完全消去するこたァできやしねー。」


「………。」


「凛華、お前ェ何モンでィ?


あくまで口調は優しく、俺は凛華の顔を覗きこんだ。


彼女の瞳は潤んでいた。


「〜〜〜っ。」


「わ、悪ィ!!」


やべェ、泣かしちまった。そのことで頭がいっぱい。


「ち、違うの……。」


手を左右に振り否定をする。


「総悟くんが、私のこと、覚えててくれて、う、嬉しくて……。」


「どういうことでィ?」


さっぱり意味がわからない。


凛華の顔が上がる。目元は真っ赤だが凛々しい顔をしていた。


「今から、全部話すね。」
 
 
 
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