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「ハァ、ハァ、クッ!!」


俺は学校中を走り回っていた。息は既に限界で汗も容赦なく流れてくる。


「なんで……、なんで。」


こうなったのは数分前の話。


「すいやせん!!凛華いるかィ!?」


俺は凛華のクラスの女子に話し掛けた。


「凛華……?」


「そう、姫路野凛華。」


すると彼女達はコソコソ話をし始めた。俺はイライラしながら待つ。


すると彼女達は衝撃的な言葉を言った。


「そんな子いませんよ?」


「は、」


いな、い?んなまさか。


俺はお礼を言うのも忘れ走る。


そこに3Zに戻ろうとしているチャイナを見つけた。


「チャイナ!!」


「うぉ!!なんだヨお前か。」


びっくりした顔をし立ち止まる。


「チャイナ、姫路野凛華知らねーか?」


「姫路野凛華?」


「そうでィ。」


「んな名前聞いたことないヨ。他校の奴ネ?」


「う、そだろ……。」


お前、さっきまで凛華との話をしてたじゃねーか。冗談でも程があるんでィ・・・っ!!



そして現在に至る。


さっきから他の生徒何人に聞いても「知らない」の解答しか返ってこなかった。


おかしい。どうして急に?


俺は最後の取り柄となるところまで走った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
―――――――………
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ガララッ


「旦那ァァァ!!」


「うぉ!?んだよ急に!!」


旦那はいちごみるくを片手に机に向かっていた。


そんな旦那の肩を俺は掴んだ。


「旦那!!」


「何々?マジでなんなの?」


「姫路野凛華。」


「あ?」


「姫路野凛華、知ってやすよね!?」


「………姫路野凛華?」


「へィ。あの教室で一人で泣いていた、あの。」


答えてくれ。知っていると。


先生なら知らねーとまずいだろィ?


みんな冗談話ばかりで俺、困ってんでィ。


だが、


「姫路野凛華、かぁ。んな奴いたかァ?」
 
 
 
 
 
 
 
冗談は嫌い
 
 
 
 
 
 
 
嘘だろィ?冗談じゃねーのかよ。

けど旦那の様子じゃァ冗談だとは思えねェ。

……もしかして今まで見てきたのは、長い長い夢だったのかィ?

じゃあこの恋心はどこに行けばいいんでィ。

 
 
 
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