( 1/1 ) 「ハァ、ハァ、クッ!!」
俺は学校中を走り回っていた。息は既に限界で汗も容赦なく流れてくる。
「なんで……、なんで。」
こうなったのは数分前の話。
「すいやせん!!凛華いるかィ!?」
俺は凛華のクラスの女子に話し掛けた。
「凛華……?」
「そう、姫路野凛華。」
すると彼女達はコソコソ話をし始めた。俺はイライラしながら待つ。
すると彼女達は衝撃的な言葉を言った。
「そんな子いませんよ?」
「は、」
いな、い?んなまさか。
俺はお礼を言うのも忘れ走る。
そこに3Zに戻ろうとしているチャイナを見つけた。
「チャイナ!!」
「うぉ!!なんだヨお前か。」
びっくりした顔をし立ち止まる。
「チャイナ、姫路野凛華知らねーか?」
「姫路野凛華?」
「そうでィ。」
「んな名前聞いたことないヨ。他校の奴ネ?」
「う、そだろ……。」
お前、さっきまで凛華との話をしてたじゃねーか。冗談でも程があるんでィ・・・っ!!
そして現在に至る。
さっきから他の生徒何人に聞いても「知らない」の解答しか返ってこなかった。
おかしい。どうして急に?
俺は最後の取り柄となるところまで走った。 ―――――――……… ガララッ
「旦那ァァァ!!」
「うぉ!?んだよ急に!!」
旦那はいちごみるくを片手に机に向かっていた。
そんな旦那の肩を俺は掴んだ。
「旦那!!」
「何々?マジでなんなの?」
「姫路野凛華。」
「あ?」
「姫路野凛華、知ってやすよね!?」
「………姫路野凛華?」
「へィ。あの教室で一人で泣いていた、あの。」
答えてくれ。知っていると。
先生なら知らねーとまずいだろィ?
みんな冗談話ばかりで俺、困ってんでィ。
だが、
「姫路野凛華、かぁ。んな奴いたかァ?」 冗談は嫌い 嘘だろィ?冗談じゃねーのかよ。
けど旦那の様子じゃァ冗談だとは思えねェ。
……もしかして今まで見てきたのは、長い長い夢だったのかィ?
じゃあこの恋心はどこに行けばいいんでィ。 もどる
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