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最近、心臓が痛い。


病気じゃねーよ。あれだ、急になんかチクチクしたりバクバクしたり。俺の心臓は毎日忙しい。


しかも聞いて驚けコノヤロー。これは凛華の前でしかならねー病気だ。


前旦那が言ってた「恋」。こいつを意識したらこんな症状がでてしまった。


「んだよチクショー。」


本当、最近の俺はどうかしてるよ。


俺はシャーペンを手元でくるくると回しながら旦那の授業を受ける。といっても「糖分」と「ジャンプ」の魅力について話しているだけだが。


「――――で、ここで悪の正義カイマリンがやってきて、」


悪の正義ってなんだ悪の正義って!!いいやつなのか悪いやつなのかわかんねーよ!!


このクラスのツッコミ王、志村新八がツッコむ。


「あー?お前知らねーの、悪の正義。」


「知りません、説明して下さい。」


「……総一郎君、答えて。」


このタイミングで振りやがった。旦那は冷や汗たらたらかきながらチョークで俺を指す。


「えー、悪の正義てのはその名の通り悪業を専門として働いてる奴らで、彼らは自分がしていることが正義だと思ってる。だから悪の正義なんでィ。」


「……はい正解。ここテストでるよォ。」


でるかァァァァ!!沖田さんもよく答えられましたね!!」


ダメガネの言葉を無視し外を見る。最近外を見たら高い確率で凛華を見ることができる。それが嬉しくて堪らない。


しかし、


「……いねーな。」


いつもはいる時間帯になっても現れない。


チクッ


「!」


チクチクッ


んだよ……。


また心臓辺りがチクチク痛む。凛華の顔を思い出せば思い出すほど。


寂しい。


もしかしたらその感情をこの心臓が素直じゃない俺に伝えてくれているのかもしれない。


けどこれは悪趣味でさァ。


「………はぁ。」


会いてーな。


ドクン


今度は心臓が高鳴った。
 
 
 
 
 
 
 
感情=心臓
 
 
 
 
 
 
 
また心臓が痛む、跳ねる、痛む。

今日も一日忙しい俺の心臓。

……このまんまだったら心臓持ちやせん。

だから早く凛華、凛華で充電しねーと。

 
 
 
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