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最近の俺は鈍い。周りからそう言われる。


もちろん俺は「なんで?」と聞き返す。しかし返ってくるのは溜息と「頑張れ」の一言。


その言葉にも疑問を抱く。


「ってことなんですよ旦那。」


「またてめーかコノヤロー。」


国語準備室、旦那の席を占領している俺がいる。


「そんなに俺と総一郎君は仲が良かったっけ?」


「んなわけないでしょ。ただここにクーラーがあるからでィ。」


「……だよねー。」


はぁ、と溜息をつきソファに座る旦那。


「まぁまぁ我慢してくだせェ。」


そういって旦那に投げつけたそれ。それを片手で軽々しくキャッチする。


「新作のいちごみるくじゃねーか!いっつも売り切れててなかったんだよなー。てかお前これどうやって……。」


「なぁに。売場のおばちゃんにちょいと笑顔でお願いしたら取っておいてくれやした。」


「あのババア、俺の時には断ったくせに……。」


「ふっ、ちょろいもんでさァ。」


旦那は早速いちごみるくにストローをさし飲みはじめる。顔がとても幸せそうだ。


「総一郎君も鈍いよねー。」


「総悟です、旦那ァ。」


「普通気づくよ?あんな態度してたら。」


「態度……?」


「総一郎君、凛華ちゃんといる時幸せですオーラ漂わせてるし。」


ちゅー


一息いれて旦那はいちごみるくを飲む。


「……そんなに幸せそうですかィ?」


「笑顔。」


ばし、と指を差される。


「は?」


「笑顔が半端なく輝いてるよ。」


旦那は空になったパックをごみ箱に向けて投げた。それは見事にごみ箱に入った。


「きっと、いや絶対総一郎君は凛華ちゃんにをしてるね。」
 
 
 
 
 
 
 
俺を取り巻く感情
 
 
 
 
 
 
 
恋?んだそりゃ。

あぁ、女子共が騒いでやがるあれのことか。

………え、俺が?

 
 
 
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