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凛華と出会い、早1ヶ月が経った。気づいたらもう少しで夏休みという頃になっていた。


帰りふたりで帰るのが当たり前になったこの頃。凛華はいつも笑顔だったのが印象的だ。


泣きたいだろうに。そんな時も目をウルウルさせながら笑顔絶やさず俺に接していた。


悲しかった。俺はそんなに頼りないかと。お前の涙を拭うことはできないのかと。


「……凛華。」


「…………。」


「凛華。」


「……え、あ。ごめんね!少しボーッとしてて。」


そう言って掌で自分の顔を隠す。涙を隠したいのだろう。しかしバレバレだ。


「凛華。」


足を止め、横にいる凛華の肩を掴みこちらを向かせる。


「我慢すんな。」


「や、」


また涙目を隠そうと腕を動かすがそれを掴み阻止する。


「別に迷惑だと思わねー。寧ろ見せてくれない方が迷惑。」


「!」


「俺は凛華には感謝してるんでィ。落ち込んでる時突然現れてよ、けどそれが今となっては元気の源だ。」


細っこい腕を引っ張り、華奢な体を抱きしめる。


「俺はお前の涙を拭いたい。」


「………。」


「ダメかィ?」


そう聞き凛華を覗き込もうとした時。


ギュゥッ


背中に腕が回ったのを感じた。


「総、悟。」


「うん。」


「総悟、」


「うん。」


「そ、ぉご。」


「うん。」


総悟ォォォォォ!!


凛華は大声を上げて泣いた。俺の背中にある腕の力がとても強かったのを覚えている。
 
 
 
 
 
 
 
君の真の弱さ
 
 
 
 
 
 
 
なんでお前は俺の前では笑顔でいるんだ?別に泣いて喚いても俺は文句ひとつ言うつもりもないのに。

泣き顔も怒った顔も笑顔も独り占めしたいと思う俺は欲張りだ。

姉上。いつから俺はこんなに我が儘な子になったんですかねィ?

 
 
 
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