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「ぐあぁぁぁ。チクショー。」


この頃の俺は少し悩み中。


凛華からご褒美貰えたり、名前呼びできたり。嬉しいこと続きだったのだが。


「(心臓がバクバクしまさァ。)」


普通にドキドキだったら凛華に近づいて話すことができる。けどもうそりゃ周りに聞こえるんじゃないか、ってくらい大きな音を出して動くのがこの頃の心臓。


最近の俺はおかしい、とやっと気づいた。


妙に凛華に会いたくなるし、追い掛けたくなるし。そもそも一日中凛華のことしか考えていない気がする。


こんなことになったおかげで凛華とは少しの距離を保った。


俺の心臓の音が聞こえないように頑張って押さえて。


けど押さえれば押さえる程この心臓はドSなのかさらに鳴ろうと頑張る。


つかこんなとこで頑張んなよ。他んとこで頑張れよコノヤロー。


「総悟ォ!体育行くぞォォ!」


ゴリラ、じゃねーや。近藤さんが俺を呼ぶ。


こんなあちー時によく体育なんかやってられんなァ。


「今行きやすー。」


冷えピタを持ち近藤さんのところへ走っていった。










―――――――………










「だりィィ。あちィィ。」


カンカン照らす日差しの中、どういうイジメなのか俺らは走っていた。なんでもウォーミングアップらしい。


「土方おぶれよコノヤロー。」


「人に頼む態度かソレ!?」


「なんでィ。じゃあちゃんと頼んだらおぶってくれるんですかィ?」


「んなわけねーだろ。」


……死ね、ヘタ方。


「聞こえてんからなァァ!?てかそれわざと全部聞こえるように言ってんだろ!!」


待て総悟、と土方コノヤローが追い掛けて来る。


こんな暑苦しい時に追いかけっこですかィ。陽気な野郎だ。


俺はそれを軽くかわす。


フッと校舎の方に目がいった。教室の窓からは凛華が笑顔で眺めていた。
 
 
 
 
 
 
 
想い病気
 
 
 
 
 
 
 
どうしてくれんでィ。

凛華のせいで、また心臓は煩くなるし土方コノヤローには捕まるし。

やっぱ最近の俺はおかしい。

それは全部凛華のせいだ。

 
 
 
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