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最近、自分のことがよくわからない。自分のことがわからないというのもおかしな話だが。


授業中、外を眺めていると時々姫路野の姿を見つける。俺は姫路野が気づくのを期待してずーっと見ている。アイツは気づく時もあれば気づかない時もある。こちらも感情の差が激しい。


休憩時間、教室を出て廊下の窓から外を眺める。ここにいれば必ず姫路野が通り話し掛けて来てくれるからだ。この時はすんごく幸せ。頬が痛くなるぐらいニヤける。


放課後、いつもの曲がり角で姫路野とわかれる。その後のモヤモヤ感。すごく気分が悪くなる。


俺は一日で気分の落差が激しい。昨日はチャイナに指摘された。一昨日は土方さん、その前は近藤さん。


顔がとくに変化する、というわけではないらしい。周り曰くオーラが違うという。


てかオーラでわかるもんなのかィ?


「授業中の総悟はそわそわしてる。」


「休憩時間の総悟はルンルンしてる。」


「放課後の総悟は幸せオーラでいっぱいだ。」


とかとか。


ここ最近の俺はどうやら幸せそうらしい。みんな安心していた。
 
 
きっと大好きな姉が亡くなったから病むのでないか、とか思ったのだろう。


確かに病むところだった。姫路野に出会わなければ、な。


「ねぇ、総悟君。」


いつもの放課後、姫路野は俺の隣並んで歩いていた。その顔は夕焼けのせいでオレンジ色に染まっていた。


「なんでィ?」


「部活、まだなの?」


「……あ、あぁ。」


実は姫路野には部活に行っていることは言っていない。


次の大きな大会の時に激白して驚かせようと作戦を立て中だ。もちろん部員も手伝ってくれてる。(てかやらせてる)


「そっかー。あ、大丈夫だよ。やりたい時にやってね。」


「おうよ。」


そのあと他愛もない話をしていたらいつもの曲がり角についた。


「じゃあね。」


手を振って俺とは逆の方向を歩いていく彼女。なんだか、無性に寂しくなった。


「姫路野!」


オレンジ色に染まった背中に叫んだ。


「なに?」


「……一度しか言わないからよ――く聞いててくだせェ。」


「え?う、うん。わかった。」


真剣な話だろうと思った姫路野は耳を傾けた。


「…………、〜〜〜〜〜。
 
 
また明日な!凛華!!


「えっ・・・!!」
 
 
 
 
 
 
 
みんな合わさって俺
 
 
 
 
 
 
 
姫路野・・・、凛華は目を真ん丸くして驚いてたけどすぐ笑顔になって帰っていった。

俺は恥ずかしくなり家まで全力疾走で帰った。けど何故か気分がとてもいい。

急に名前を呼びたくなったこの感情は一体、なんだってんでィ。

 
 
 
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