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俺は最近うずうずしているらしい。土方コノヤロー曰く。


自覚がねーからよくわかんねーけど放課後近くなったら窓の外を眺め、貧乏揺すりをしているという。


どんだけ観察してんだよ、土方コノヤロー。


自分でも自覚がないくらい放課後を楽しみとしている。


キーンコーンカーンコーン


頭に響くチャイムが鳴る。


6時間目の授業が終わり銀八が入ってきて手短のSHRしてはい、さよなら。


ワイワイと部活やら放課後デートやらで帰っていく生徒たちに反する俺。


姫路野の部活が終わるのが7:00らしい。その時間まで俺は教室で寝たりして過ごす。


だが今日はなんでだか素振りをしたかった。あの竹刀の匂い、感触、感覚を蘇らせたかった。


鞄を持ち早足で剣道場に向かう。










――――――――………










「おう総悟!出る気になったのか!?」


現在部長の近藤さんが俺に気づき話し掛ける。その声に反応して土方コノヤローも来る。


「少し竹刀を握ってみたくなりやしてねィ。」


「……ったく。待ち侘びたぞ。」


「しかし何故剣を握りたくなった?今までの総悟だったら握りそうになかったのにな。」


「そうだな。死人の顔してたし。」


たしかに。言われてみればそうだ。


何故今俺は剣を握りたいと思うたか。


何故今俺はこんなにもやる気で満ち溢れてるのか。


「私、早く総悟君の剣道姿みたい。」


「ねぇ、総悟君。今日部活は?」


「諦めちゃダメだよ!剣道続けてね!」


「頑張って総悟君!」



「あ。」


アイツの、アイツのせいだ。
 
 
 
 
 
 
 
操られる俺
 
 
 
 
 
 
 
アイツはいつの間にか俺の心の奥を揺すぶり、俺の中の何かを出してくれた。

その何かは今必要なもので今しか出せないもので、今しか出すタイミングがなくて。

それを教えてくれるかのように姫路野は見事に俺を華麗に操った。

 
 
 
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